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読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

病気やケガなどが疑われる場合、CTやMRIといった機器で精密検査を受ける必要があります。

このとき、撮影した画像を読み解き正確に診断するためは、「読影医」とよばれる専門医が不可欠です。

本記事では、読影医とはどういった役割を果たす医師なのか、混同しやすい放射線科医や放射線技師との違いなどもあわせてご紹介します。

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読影医とは?

CTやMRIなどの検査機器で撮影した画像を読み解き、病気の原因や状態を判断することを読影とよびます。

読影医とは、その名の通り読影を行う医師のことで、多くの医療機関において放射線科の専門医が担当するケースが一般的です。

もちろん、内科医や外科医といった各診療科目の医師もある程度の読影には対応できますが、放射線科の専門医は日々多くの検査画像を目にしていることもあり、読影に特化した専門的なスキルを活かし読影医として活躍しています。

読影医になるには?

医師免許があり読影のスキルを身につけていれば、一般の診療科目の専門医でも読影医として活躍することはできます。

しかし、上記でも説明した通り、読影医は放射線科の医師が担当するケースが多いため、今回は放射線科専門医になるための方法をご紹介しましょう。

まず、医師免許を取得した後は2年間の初期研修を受け、さらに放射線科へ入局してから最低3年間以上の放射線科研修を受けます。

すべての研修が終わったら認定試験を受験し、これに合格することで放射線科専門医となることができます。

ちなみに、検査や診断に特化した「放射線診断専門医」の認定を受けることで読影医として高度な専門性を身につけることができますが、専門医の認定試験に合格後さらに2年間の研修と認定試験があり、さらに5年ごとの資格更新も必要です。

以上のことから、放射線専門医になるためには最短で29歳、放射線診断専門医の認定を受けるには31歳といったように、長い年月を要します。

関連記事:読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

読影医と放射線科医の違い

放射線科専門医には、上記で紹介した「放射線診断専門医」のほかに、「放射線治療専門医」も存在します。

ただし、診断専門医と治療専門医を両方同時に認定されることはないため、いずれか一方を選択する必要があります。

読影医として活躍しているのは放射線診断専門医が多いため、一般的には「読影医=放射線診断専門医」と認識されるケースがほとんどです。

一方、放射線治療専門医はあくまでも放射線治療のスペシャリストであり、主にがんの治療を担当することが多いです。

そのため、必ずしもすべての放射線科医が読影医というわけではありません。

放射線科医と放射線技師の違い

放射線科医と混同されやすいのが「放射線技師」ですが、両者が果たす役割や業務内容は全く異なります。

まず、放射線科医はあくまでも医師であることから、上記で紹介した読影はもちろんのこと、患者と対面しての診察や治療なども行うことができます。

これに対し、放射線技師は医師ではないため、対応できる業務はCTやMRIなどの検査機器を使っての画像撮影および放射線の照射に限られます。

また、検査で画像撮影を行う際もどの検査機器を使用するか、撮影範囲などは医師の指示を受ける必要があります。

そのため、放射線技師は読影や治療に対応できず、医師免許も持たないため放射線科医とは全く異なる職種といえます。

ただし、検査機器を安全に使用するためには技術的な専門知識が求められるため、放射線科医を支える技術者としてなくてはならない存在でもあるのです。

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読影医が不足している?

CTやMRIといった高度な医療設備が整っていたとしても、撮影した画像を手がかりに適切な診断を行える読影医がいなければ医療現場は成り立ちません。

しかし、医療業界は深刻な人手不足に悩まされており、読影医も例外ではありません。日本の医療業界の実情はどのようになっているのか、詳しく解説しましょう。

読影医は深刻な人材難に悩まされている

読影に関する高度な知見をもった放射線診断専門医は日本国内にわずか5,000人しかおらず、慢性的な人手不足が続いています。

専門医が少ないということは医師にかかる負担も大きく、一人あたりのCT・MRIの検査数は8,000件以上にのぼります。

これは世界的に見ても圧倒的に高い数字で、2番目に多いアメリカの約3,000件と比較しても倍以上の差があります。

また、CTやMRIといった設備が整っている医療機関において、放射線診断専門医が常駐している割合も16〜25%と低く、このようなデータからも読影医は人手不足の状況にあることは明白です。

見落としによる医療トラブルが発生

読影医が常駐していない7割以上の医療機関では、放射線診断専門医以外の医師が読影を行っています。

しかし、上記でも説明した通り、読影には高度な知見と豊富な経験が求められ、放射線診断専門医以外の医師では所見の見落としや診断ミスが増加するリスクも秘めています。

実際に、国内の大学病院においてCT画像を見落とし、それが原因でがん患者が死亡するといったケースも発生しているのです。

放射線診断専門医の数は近年になって少しずつ増加傾向にありますが、少子高齢化が進むなかでは読影医のニーズがさらに高まるのは必至であり、読影医不足は解消されるどころかさらに深刻化する懸念があります。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

読影医不足を解決する遠隔読影サービス

読影医不足は日本の医療業界が抱える深刻な課題のひとつです。

日本社会全体が人手不足に陥っている現在、読影医が飛躍的に増えることは現実的ではないため、限られた人員のなかで医療の質を担保していかなくてはなりません。

そこで現在注目されているのが「遠隔読影サービス」です。

通常、読影は検査を行った医療機関において、そこに常駐している専門医が画像を見て診断を行います。

そのため、検査機器は揃っているものの読影医が不在の医療機関では検査や診断が難しい場合が多いのです。

遠隔読影サービスとは、撮影した検査画像のデータを遠く離れた医療機関へネットワークを経由して送信し、そこに常駐している専門医に読影を依頼するという仕組みです。

これにより、検査機器はあるものの読影医が常駐していない医療機関でも検査と診断が可能になり、読影医不足を解消できると期待されているのです。

遠隔読影サービスならYKR medical laboへご相談ください

遠隔読影を行うためには、CTやMRIといった検査機器はもちろんのこと、画像を管理・やり取りするためのシステムやセキュリティ対策が講じられたネットワーク回線も必要です。

しかし、これらを医療機関が一から構築するには膨大な手間とコストがかかることから、専門のサービスを契約するのが一般的です。

信頼性が高くコストも抑えられる遠隔読影サービスをお探しの場合には、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

YKR medical laboでは、CTおよびMRI画像、マンモグラフィーなどの画像診断に対応しており、安価な費用で利用できます。

40名以上の各診療科の専門医が読影を行い、その結果をレポートとして返却するため、専門医が常駐していない医療機関でも高度な診断を可能とします。

さらに、病院内で運用している院内システムをそのまま流用することもできるため、検査機器が揃っていれば大規模な設備投資を行うことなく遠隔読影を導入可能です。

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まとめ

読影医とはCTやMRIなどで撮影した画像を読み解き、正確な診断を行う専門医であり、主に放射線診断専門医が担うケースが多いです。

しかし、全国的に見ても読影医の数は十分ではなく、ほとんどの医療機関において読影医は常駐していないというのが実情です。

放射線科以外の診療科の医師が読影を行うことで、誤診や見落としによって病気が知らない間に進行していたという事例も発生しています。

深刻な読影医不足の問題を解決するためには、遠隔読影サービスの活用もひとつの方法といえるでしょう。

医療の質を低下させないために、遠隔読影サービスの導入を検討している医療機関においては、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介

1.検診における医療機関に多い悩み

①読影医の人手不足

読影医の業務は非常に専門的かつ責任重大なものであり、検査結果を適切に読影するためには時間と専門性が必要です。近年、健康意識の向上や医学技術の進歩に伴い、検診の需要が増加しています。多くの人が健康診断を受けるようになりましたが、その結果、読影医の必要性も高まっています

また、読影医の高齢化も進んでいます。高度な技術と経験を要する医師の引退後の急な人員確保は難しく、残された読影医の業務量が増加し、モチベーションの低下や人材の定着率の低下につながります。

②繁忙期と閑散期の差

検診は企業や学校が定期的に実施する健康管理の一環として重要な役割を果たしています。そのため、特定の時期においては検診の需要が急増し、逆に別の時期には需要が低下するといった繁忙期と閑散期が存在します。4月から6月にかけては学生健診や入社後健診が行われ、これに伴い、医療機関や検診センターは受診に対応するために繁忙期を迎えます。繁忙期には検診を申し込む企業や学校が急増し、予約が取りづらくなることがあります。この期間に健康診断の予約が取れない企業が9月から11月に予約するため、実質この期間も繁忙期となります。

その一方で1月から3月にかけては企業や学校が年度初めや新学期の始まりとなる時期であり、検診の需要が低下します。このため、1年間を通して繁忙期と閑散期の差が大きく存在します。

③結果報告書作成期間の短縮

健診機関における評価指標の一つに、健診結果報告書の納期短縮が挙げられます。精度の良い健診結果報告書を、受診者の手元にいかに早く届けるかを真剣に取り組んでいます。

結果報告書の平均納期は地域差によって異なりますが、4週間前後が平均的で、2週間を目標に運用している健診機関もあります。早いところでは10日を目標としている健診機関もあります。最近では、当日に結果報告書を受診者に渡すプレミアムドックも流行り始めています。

結果報告書の作成期間を長期化させている要因は多々ありますが、複数の医師が必要となる画像診断業務が足枷となるケースが多く見受けられます。主だった画像診断は、胸部X線検査、胃透視検査ですが、それに加えて各種超音波検査、眼底検査、内視鏡検査、胸部CT検査、脳ドックMRIなど健診機関が扱っている画像診断検査は多様です。各検査それぞれに得意とする医師が違うため、医師を充足できるかが課題となっています。

2.検診画像診断を遠隔読影支援サービスで行うメリット

①読影医の遠隔配置による人手不足の緩和

遠隔読影支援サービスは、医師が物理的に患者のいる地域に常駐する必要がないため、医師が少ない地域や遠隔地にも専門的な読影医を配置することが可能です。都心から遠い地域ですと、人口がまばらで医療機関が限られている地域では、専門的な読影医の確保が困難です。遠隔読影支援サービスを活用することで、患者の地域に医師が常駐していなくても、必要な専門性を持った読影医がオンラインでアクセスできます。これにより、地理的な人手不足が軽減されます。

②院内医師と遠隔読影を組み合わせることで、繁忙期と閑散期の波をこなせる

検診を遠隔読影支援サービスで行う際、院内医師と遠隔読影を組み合わせることで、繁忙期と閑散期の波に柔軟に対応できるメリットがあります。繁忙期には学生健診や企業の入社後健診など、多くの検診が集中します。こうした時期において、院内医師が限られた時間内で多くの読影業務に対応するのは大変ですが、遠隔読影支援サービスを導入することで、迅速かつ正確な読影を行うことが可能です。

一方で閑散期には検診の需要が低下し、院内医師が余裕を持って業務を遂行できることがあります。この時期には、外部の読影医師の活用を最小限に抑え、依頼件数を調整することで運用コストを最適化できます。YKR medical labo株式会社では最低依頼件数を設けていないため、依頼件数を調整できる柔軟な体制が整っています。繁忙期と閑散期の依頼件数を調整させることで運用コストを下げることが可能です。

③マルチモダリティをカバー

遠隔読影支援サービスを導入する際の大きなメリットの一つは、対応モダリティの幅広さです。依頼を検討する際、通常は読影医が不足している検査装置の依頼を検討される医療機関が大半ですが、急な医師の休暇などで代務医師が必要な際に、遠隔読影支援サービスが役立ちます。

健診機関によっては、読影医が充足している場合でも遠隔読影支援サービスを契約し緊急時のバックアップとして活用する健診機関も増えています。遠隔読影会社と契約する際は、どの程度モダリティをカバーしているかの確認が必要です。導入されたのであれば、緊急時に備えて主だった依頼以外の検査装置を契約しておくことをお薦めします。

3.検診画像診断を遠隔読影支援サービスで行うデメリット

①精度の担保

遠隔読影は受診者の個別の状態や病歴などが直接医師に伝わりにくいため、院内での診断との差が生まれる傾向があります。さらに毎回ランダムな医師が読影することで、診断の一貫性や精度に関する課題が発生します。異なる医師が異なる視点で診断を行うことは、患者の健康状態に対する幅広い意見やアプローチを提供できる一方で、一貫性を欠いた診断結果が生じる可能性があります。異なる医師間での診断の一貫性を確保することが不可欠です。

②セキュリティのリスク

遠隔読影において、検査データの送信や保存にセキュリティ上のリスクが伴います。検査データの送信や保存の際に受診者の詳細な診断情報や検査結果が第三者に漏洩する可能性があるため、慎重な取り扱いが求められます。セキュリティの対策が不十分であれば、これらの機密情報が不正アクセスやデータ漏洩のリスクにさらされる可能性があります。医療機関のみならず遠隔読影サービス提供者間でのセキュリティの強固な暗号化、アクセス制御の実施は必要不可欠と言えるでしょう。

③ランニングコスト/イニシャルコスト

遠隔読影を導入する際、検討すべき重要な要素の一つが金額です。遠隔読影会社ごとに異なる月額基本料金や初期導入費用以外にも追加オプションの費用が存在し、慎重な見極めが不可欠です。ランニングコスト(初期導入費用)は院内で使用しているPCやシステム、設置場所によっては配線工事も必要になってくるでしょう。さらに押さえたいのがランニングコスト(月額基本料金)です。初期費用と違い、毎月支払う必要があるため、読影費用と併せて市場単価と年間コスト見積もりをおこない、継続的なコスト面での計画を立てることが重要です。

4.遠隔読影支援サービスで対応できる検診画像

遠隔読影は様々なモダリティ(検査装置)に適用されていますが、各遠隔読影会社や医療機関によって対応可能なモダリティは異なります。

  • ・胸部CR
  • ・胃部RF
  • ・CT/MRI
  • ・マンモグラフィー(乳房X線検査)
  • ・PET-CT

多くの遠隔読影会社が公式ウェブサイトに記載しているモダリティが上記になります。また、その他各遠隔会社によって診断可能なモダリティもございます。

  • ・DWIBS
  • ・乳腺トモセンシス
  • ・眼底
  • ・心電図
  • ・ホルター心電図
  • ・各種超音波検査
  • ・じん肺
  • ・大腸CT
  • ・心臓CT
  • ・内視鏡検査など

これらのモダリティに関する詳細は、多くの遠隔読影会社が公式ウェブサイトに記載していません。特定のモダリティに関する具体的な情報や提供情報は、企業の営業担当者やお問合せが最も確実な手段といえるでしょう。

5.検診で遠隔読影支援サービスに適した医療機関の特徴

①巡回健診バスを運用している医療機関

巡回健診バスを運用している医療機関は、特有の課題に対処しながら、患者のスムーズな検診を実現しています。この運営形態では通常、一度に多くの患者の撮影が行われ、その翌日にまとまった読影の依頼が発生します。その結果として大量の検査データが生まれます。前項でも記載しましたが、健診機関における評価指標の一つに、健診結果報告書の納期短縮が挙げられます。特に健診の場合、結果報告書は手書きの紙レポートでの作成が指定といった地域が多くあるために、大量に送られてくる検査結果の読影は容易ではありません。これに迅速かつ確実に対応するため、周辺の医師会の先生に協力を仰ぎ、読影作業に協力いただきます。YKR medical labo株式会社では、手書きレポートの読影も対応可能であり、検診バスごとに依頼可能な束依頼機能がございます。

②サービスメニューを増やしたい健診機関

現在の読影モダリティに加えてオプションメニューを加えたい場合、オプションメニュー拡充を目的とした読影医の新規雇用や、読影管理に伴う運用コストを考えると、遠隔読影支援サービスは運用コスト・導入ハードルが低いため、多くの健診機関が導入しています。

遠隔読影会社には各種専門医が充足しており特殊検査にも対応可能です。検査数が急増した場合でもスムーズに対応できます。必要なタイミングで各種専門医による読影サービスを利用できるため、読影医の新規雇用や、読影管理に伴う運用コストに関する負担を軽減できます。遠隔読影支援サービスをオプションメニューの拡充にお役立てください。

③二重読影の体制を整えたい医療機関

二重読影は、二人の専門医師が同じ検査データを独立して評価し、高い診断精度を確保する手法です。通常、診断の速さと精度を両立させる手法です。

この手法はダブルチェックとも言われ、“ヒューマンエラーはゼロにはできない”ということから始まった読影精度向上策です。

二重読影には2種類あり、オーバーリーディングとブラインドリーディングがあります。

オーバーリーディングとは、一次読影を行った医師の結果を基に、別の医師が二次読影を行います。

その結果に基づいて、二次読影医は補完的な評価を行い、確認や追加の意見を提供します。一次読影者の結果が既知であるため、二次読影はその結果を参考に進めることができます。また、二次読影医が特異度に長けていることが求められます。

ブラインドリーディングとは、二人の読影医に同時に依頼し、一次読影医の結果を伏せたまま、独立した医師が二次読影を行います。その結果は二次読影者に開示されず、独自の診断が行われます。

この方式では、予め他の医師の意見に影響されないため、客観的な評価が期待されます。

(参考日本人間ドック学会 | 上部消化管Ⅹ線健診判定マニュアル (ningen-dock.jp)

6.検診で遠隔読影を導入した事例紹介

自治体から指定された指定用紙読影でお悩みの院内検診に特化したクリニック様の事例

愛知県内 健診センター様 導入事例 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

導入によって業務の複雑化や負担増加を懸念していた病院併設健診センター様の事例

健診システムに読影レポートを自動返却 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

7.YKR medical laboは健診に特化した遠隔読影支援サービスを提供

検診領域に特化した遠隔読影支援サービスを提供しています。

特に、巡回健診向けの読影依頼機能が強みで、複数の検査をまとめて依頼することが可能です。検診依頼の際などに便利です。

詳しくは是非弊社HPをご覧ください。

読影医による 遠隔読影・読影診断支援サービス|YKR Medical Labo (ykr-medical.jp)

肺がんや胃がんの検診で遠隔読影を行うメリットや二重読影を行う理由を解説

近年、予防医療推進のため肺がんや胃がんなどのがん健診が普及しています。一方で、読影スキルや医師不足により予防医療を推進できていない地域や施設も多く存在します。この課題を解消するため、遠隔読影が注目されています。

この記事では胃がん検診における読影補助認定制度、肺がん検診の読影医の条件、遠隔読影のメリット、そして具体的な事例とサービスについて説明します。

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1.肺がんや胃がん検診で遠隔読影で行うメリット

肺がんや胃がん検診における遠隔読影の導入には多くのメリットがあります。

遠隔読影の利点について4つに分けて詳しく説明します。

検診効率の向上

遠隔読影は、画像データを迅速かつ効率的に専門医に送信し評価を受けるため、検診プロセス全体の効率が向上します。

これにより、検診の結果が早く提供され、追加の評価や情報提供を速やかに行うことができます。

専門知識の活用

遠隔読影では、専門的な知識と経験を持つ読影医が画像を評価します。

これにより、高度な専門知識を有する医師の能力を活用でき、正確な診断結果が提供されます。

読影リソースの確保

医師の高齢化、および医師偏在に伴い読影医師の不足が国内医療機関で発生しており、専門性が伴う胃バリウム検査の読影特性などが相まって、予防医療における読影リソースの不足が顕著に表れています。

遠隔読影支援サービスの導入は、読影リソースの不足を直接的に補う効果的な方法です。

不足している特定分野の読影リソースを必要なだけ補うことができ、繁忙期のピークアウト時に効果を発揮します。

複数の専門医による読影

遠隔読影導入をきっかけにダブル読影の運用を検討可能です。

複数の専門医による独立した評価が行われることで誤診や見落としなどのリスクが低減し、正確な結果報告書の作成が可能です。複数の専門医が評価を行うため、診断の一貫性が高まります。

関連記事:遠隔画像診断システムの導入に向いている医療機関とは?料金や仕組みを解説

2.肺がんや胃がん検診で遠隔読影で行うデメリット

遠隔読影は読影医師のリソースを補い検診読影の運用を潤滑にすることが出来ますが、一方でデメリットも存在します。

来院して行われる院内読影と比較すると、遠隔読影は前年の結果内容や、血液データを参照することが出来ません。

そのため、院内読影と比較して診断精度が低減する可能性があります。

遠隔読影に画像のみを依頼送信するのではなく、前年の結果や既往歴等の情報を一緒に送信することでデメリットを補うことが出来ます。

関連記事:遠隔画像診断システムの導入に向いている医療機関とは?料金や仕組みを解説

3.肺がん検診の手引きにおける読影医の条件とは

肺がん検診の手引き」は2020年に大幅な改訂が行われました。

内容としては第一読影医、第二読影医ともに検診機関などで開催される「肺がん検診に関する症例検討会や読影講習会」におおむね年1回以上参加することを条件としており、上級医には読影経験も条件としました。

発見例や偽陰性例のレビューを行い、撮影条件や読影診断能の向上に努めるとし、検診に従事する医師の胸部X線画像読影力の向上を図る必要があるとしています。

しかし最終的に委員会では「自分の読影力を上げようと努力し続ける」ことが最も重要であろうと結論付けています。

関連記事:全身がん検査に使われるDWIBS(ドゥイブス)とは?費用や欠点を解説

4.検診でがんが見つかる割合(肺がん・胃がん)

ここで検診で肺がんもしくは胃がんが見つかる割合について解説します。

肺がん

肺がん検診でのがん発見率はおよそ2,000人に1人、割合にすると0.05%で、昔も今もあまり変わっていないそうです。

令和3年度地域保健・健康増進事業報告によると、令和2年に肺がん検診を受けた方は2,773,789人でした。

受診者のうち、1.53%(42,396人)※1の方が要精密検査となり、要精密検査者の1.74%(738人)※1の方から肺がんが発見されました。

疑わしい人は精密検査をしてもらうのが基本的であり、2段階で肺がんを見つける仕組みになっています。

※1 引用:厚生労働省「令和3年度地域保健・健康増進事業報告の概況」令和5年3月30日

胃がん

令和3年度地域保健・健康増進事業報告によると、令和2年に胃がん検診を受けた方は1,237,707人でした。

受診者のうち、6.09%(75,437人)※1の方が要精密検査となり、要精密検査者の1.88%(1417人)※1の方から肺がんが発見されました。

疑わしい人は精密検査をしてもらうのが基本的であり、2段階で胃がんを見つける仕組みになっています。

がん検診を受けていたからこそがんを発見することができます。

受ける時間がない」「健康状態に自信があり必要性を感じない」などの意見もありますが、早期に発見すれば種類によって差はあるものの、約9割は治すことができます。

ぜひこの機会にがん検診を受けましょう。

※1 引用:厚生労働省「令和3年度地域保健・健康増進事業報告の概況」令和5年3月30日

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5.肺がん検診で二重読影を行う意味

一人の読影医による単一読影では見落としリスクが高まるため、二重読影が推奨されています

また、がんは早期に発見されるほど治療成功率が高まります。

二重読影によって、小さな腫瘍や初期のがん病変が見落とされる可能性が低減し、早期発見が促進されます。

二重読影は患者に対して医療の信頼性と安心感を提供し、健康に関する診断プロセスに対する信頼を高める役割を果たします。

患者と医療機関の信頼関係の構築に寄与し、治療効果の向上につながります

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6.胃がん検診における読影補助認定制度とは?

胃がん検診における読影補助認定制度は、がん健診プログラムにおいて画像診断を行う医師に対して、専門的なサポートと評価を提供する制度です。

胃X線検査の精度向上を図りつつ、チーム医療を推進することを目的として、胃がん検診において専門的な技能を持つ専門技師を養成し、彼らを胃がん検診読影の補助を行う技師として認定する制度を設けています。

この読影補助は、胃X線検査の読影において、認定医の指示に基づいて、特定の読影判定基準に従い、技師が読影結果を報告し、読影医の診断を補完するものです。

ただし、胃がん検診の管理区分(精密検査の必要性の判定など)は読影医が行い、最終的な責任は読影医に帰属します。>>YKRの読影支援サービスはこちら


7.検診で遠隔読影を導入した事例紹介

YKRメディカルラボでは今までの導入例を幾つか紹介しています。

ご参考になれば幸いです。

事例一覧はこちら

関連記事:乳腺超音波検査とマンモグラフィー検査の違い|仕組み・メリットを解説

8.YKR medical labo放射線科読影支援サービスの特徴

YKR medical labo「放射線科読影支援サービス」とは、健診機関に特化した読影支援サービスです。

各医療機関、専門担当医制とし読影精度の安定化を実現しています。

また、健診運用に特化した読影基幹システムを採用しているため、読影支援サービスだけにとどまらず、読影依頼から結果内容の院内取込まで読影運用全体を見据えた提案を期待できます。

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9.記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

 

 

DWIBS(ドゥイブス)に欠点はある?費用やPET-CTとの違いを解説

がんの検査方法にはさまざまなものがありますが、なかでも「DWIBS(ドゥイブス)検査」は全身のがん検査が可能です。

比較的新しい検査方法のひとつですが、メリットや強みばかりとは限らず、弱みがあることも事実です。

本記事では、DWIBS(ドゥイブス)検査はどういった人に適しているのか、気になる費用などもあわせて解説します。

1.DWIBS(ドゥイブス)検査とは

DWIBS(ドゥイブス)とは、「Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression」の略称であり、日本語では「背景抑制広範囲拡散強調画像」とよばれます。

MRIを用いて全身のがんを診断する検査方法であり、2004年に日本人医師の高原太郎氏によって開発されました。

関連記事:遠隔読影サービスとは?必要な機器や導入すべき医療機関の特徴

2.DWIBS(ドゥイブス)検査の強みと欠点

がんの検査方法にはDWIBS(ドゥイブス)検査以外にもさまざまな方法があります。

それらと比較した場合、DWIBS(ドゥイブス)検査にはどういったメリット・強みがあるのでしょうか。

また、弱みや欠点についても解説しましょう。

2-1 DWIBS(ドゥイブス)検査の強み

DWIBS(ドゥイブス)検査はMRI検査を受診できる方であれば誰でも受けられます

なお、DWIBS(ドゥイブス)検査が受けられない人の条件は「DWIBS(ドゥイブス)検査はどんな人が受けるべきか」でも紹介します。

DWIBS(ドゥイブス)検査のもう一つの強みとしては、放射線による被ばくの心配がないことが挙げられます

複数回にわたって検査をする場合でも、被ばくのリスクを考えなくて良いのは大きなメリットといえるでしょう。

2-2 DWIBS(ドゥイブス)検査の欠点

DWIBS(ドゥイブス)検査の弱みや欠点としては、検査部位によっては正確な検査結果が得られないことが挙げられます。

がんの診断を行うためには、一般的にPET-CT検査とよばれる手法が採用されますが、DWIBS(ドゥイブス)検査ではPET-CT検査で検出できる腫瘍が写らないケースがあるのです。

特に、肺や心臓などの臓器周辺にできたがんは、DWIBS(ドゥイブス)検査での検出が難しい場合があります。

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3.DWIBS(ドゥイブス)検査のがん発見率

上記でも紹介した通り、DWIBS(ドゥイブス)検査には強みもあれば欠点もあるため、がんを100%の確率で発見できるとは限りません

また、DWIBS(ドゥイブス)検査によって異常が検知されたとしても、それが必ずしもがんであるとは限らず、単なる炎症や正常な臓器というケースもあるのです。

そのため、DWIBS(ドゥイブス)検査のみをがんの検査に用いるのは得策とはいえず、あくまでも複数の検査方法を用いて総合的に判断する必要があります。

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関連記事:乳腺超音波検査とマンモグラフィー検査の違い|仕組み・メリットを解説

4.DWIBS(ドゥイブス)検査とPET-CT検査の違い

がんの検査方法として、従来一般的であったPET-CT検査と、DWIBS(ドゥイブス)検査はどういった違いが見られるのでしょうか。

そもそもPET-CT検査とは、「ブドウ糖類似PET検査薬」ともよばれる放射線薬剤を投与し、がん細胞の形状や広がり具合を調べるPET検査と、X線によって臓器の形状を調べるCT検査を組み合わせた検査方法です。

がん細胞はブドウ糖を多く取り込むという性質があることから、専用の検査薬を用いることでがん細胞を特定します。

これに対しDWIBS(ドゥイブス)検査は、細胞の密集度が高い部分を検出する方法であり、がん細胞が増殖する過程において細胞密度が高くなるという性質を利用しています。

以上のように、それぞれ検査方法の違いがあることから、PET-CT検査ではブドウ糖の代謝が亢進しない胃がんや大腸がん、肝がん、前立腺がんなどについて検出が難しい場合が多いようです。

一方、DWIBS(ドゥイブス)検査の場合は、PET-CT検査が不得意とする前立腺がんや腎がん、尿管がんなどの検出に向いています。

また、PET-CT検査と異なりX線を使用しないため、放射線による被ばくのリスクも少ないことが挙げられるでしょう。

PET-CT検査とDWIBS(ドゥイブス)検査の双方に共通している点としては、小さい腫瘍の段階において検出が困難であることと、胃がんや大腸がんも検出が難しいが挙げられます。

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5.DWIBS(ドゥイブス)検査に適した人・適さない人

長所もあれば短所もあるDWIBS(ドゥイブス)検査ですが、具体的にどういった人が検査を受けると良いのでしょうか。

また、反対にDWIBS(ドゥイブス)検査を受けるべきではない人の特徴も解説します。

5-1 DWIBS(ドゥイブス)検査に適した人

上記のPET-CT検査との違いでも紹介した通り、PET-CT検査が不得意とする前立腺がん腎がん尿管がんなど、尿路系のがんが疑われる場合に有効な検査方法といえるでしょう。

また、PET-CT検査ではブドウ糖が含まれた検査薬を使用するため、糖尿病を患っている方は検査そのものを受けられないことがあります。

しかし、DWIBS(ドゥイブス)検査では検査薬を使用しないため、糖尿病患者でも検査が可能です。

5-2 DWIBS(ドゥイブス)検査に適さない人

MRI検査では機器の中に強力な磁場が発生するため、ペースメーカーや人工関節、その他インプラントなどが体内に埋め込まれていると検査に影響を及ぼす可能性があります。

また、入れ墨やタトゥーなどがある場合、やけどを引き起こすリスクもあります。

妊娠中の方も胎児への影響が懸念されるため、DWIBS(ドゥイブス)検査は避けたほうが良いでしょう。

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6.DWIBS(ドゥイブス)検査を受ける時の流れと検査時間



DWIBS(ドゥイブス)検査を受ける場合、原則として検査当日まで食事制限や行動制限は不要です。

検査の流れは医療機関によって多少異なりますが、事前に検査の予約・申し込みを行った後で、当日の予約時間までに来院します。

検査の前に問診票へ記入し、専用の検査着に着替えて順番を待ちます。

MRIの撮影は30分から1時間程度で終わり、検査中の痛みなども一切ありません。

ただし、正確な検査結果を得るためにも、MRIでの撮影中は体を動かさず静止した状態を保っておく必要があります。

検査が終わった後、2〜3週間程度で結果が郵送されてきます。

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7.DWIBS(ドゥイブス)検査にかかる費用

DWIBS(ドゥイブス)検査は人間ドックのオプションとして受けるケースが多く、検査費用は5〜8万円程度が相場となっています。

原則として保険は適用されず自費診療となりますが、人間ドックなどの検査の結果、別途精密検査が必要となった際には保険が適用されるケースもあります。

また、健康保険組合や自治体など、各種団体で人間ドックを受診するにはDWIBS(ドゥイブス)検査の費用を一部負担してくれるケースもあるようです。

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8.まとめ

がんの治療は早期発見が何よりも重要であり、それを実現するためにもさまざまな検査方法を組み合わせて総合的に判断する必要があります。

DWIBS(ドゥイブス)検査は比較的新しい検査方法であり、放射線被ばくのリスクもないため安心して受けられるメリットがあります。

ただし、DWIBS(ドゥイブス)検査の結果だけで判断するのは難しいため、信頼できる医師と相談しながら複数の検査を行い、今後の治療方針も含めて検討していきましょう。

9.記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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