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所見コード活用のメリットと運用ポイント

所見コードとは

所見コードとは、画像検査や健診で見つかった所見を標準化して記録するためのものです。

文章だけで読影結果を入力すると、医師ごとに表現がばらつきやすく、解釈に違いが生じる恐れがあります。

そのため、あらかじめ定義された所見コードを使うことで誰が入力しても同じ意味で扱えるようになります。

実際には、PACSやRIS、健診管理システムなどの導入時に学会や公的規格を参考にしつつ、施設ですでに使用している内容を加えることが一般的です。

また、市町村や健診機関ごとに独自の所見コードを整備しているケースも多く、施設によっては50〜60種類以上の所見コードを使い分けて運用している例もあります。

所見コードは決められた仕組みに沿っているため、1種類の所見コードだけでは運用上も管理上も柔軟な対応が出来ません。

施設内では内容の工夫によって、業務フローに合わせて所見コードを使い分けることで、正確な情報記録と効率的な業務の両立が可能となります。

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所見コードの役割

所見コードは、単なる入力補助だけではなく、医療データの活用基盤として多様な役割を持っています。

文章だけの所見記載では表現の違いや解釈のズレが生じやすいのに対し、所見をコード化することで誰が読んでも同じ表現を扱えるようになります。

また、所見コードを使うことでシステムへの自動入力や集計が容易になり、健診結果の管理やレポート作成の効率化に役立ちます。

さらに、遠隔読影や医師交代など、複数の医師や施設が関わる場面でも、所見コードが“共通言語”として機能するため、情報の引き継ぎや共有がスムーズに行えます。

つまり、所見コードは読影内容の正確性を保ち、業務を効率化し、医療スタッフ間の情報伝達を円滑にする役割を担っています。

所見コードを利用するメリット

記載の標準化による読み違い防止

医師ごとに所見の書き方や表現が異なると、解釈に迷うことがあります。

所見コードを利用することで、文章のニュアンス差や誤字脱字による誤解を減らし、統一された表現で記録することが可能になります。

これにより、確認作業や解釈の手間を削減し、より正確な読影情報を共有できます。

レポート作成・集計の効率化

所見コードを基に自動で文章を生成する仕組みを活用すれば、入力時間の短縮が期待できます。

また、同じ所見コードを用いることで年度別・検査別の集計や統計処理が容易になり、健診結果の傾向分析や施設内データの活用に役立ちます。

システム連携の円滑化

多くの健診管理システムやPACSでは所見コードとの連携機能があり、遠隔読影後の結果反映が自動化しやすくなります。

特に巡回健診など大量のデータを扱う場合、コード入力による一括取り込みが可能となり、作業負荷を大幅に軽減できます。

医師交代時や外部委託先変更時のスムーズな引き継ぎ

読影医が交代しても、共通の所見コードを用いることで解釈のブレが少なく、継続的に一定の品質を保つことが可能です。

また、遠隔読影会社を切り替える場合でも、所見コードを共有することで調整しやすくなります。

所見コード利用のデメリット・課題

所見コードは読影業務の標準化やデータ活用に非常に有効ですが、導入・運用にはいくつか注意すべきポイントがあります。

ここでは代表的な課題を4つに整理して解説します。

初期導入時の操作負担

遠隔読影会社が提供する所見コードを利用する場合、施設側では最初にコードの選択やシステムへの取り込み方法などに慣れる必要があります。

このため、導入直後はスタッフが操作に不安を感じるなど、入力手順の確認に時間がかかることがあります。かかることがあります。

ただし、施設が既存のコードを活用できる場合や、操作に慣れることで負担感は徐々に軽減されます。

表現の柔軟性が制限される

所見のコード化は標準化や統計処理の効率化に有効ですが、複雑な所見や微妙なニュアンスの表現には自由記載の方が伝わりやすい場合があります。

所見コードに該当しない内容は、フリーレポートなどを活用して柔軟に対応することが重要です。

コードの改訂更新・管理が必要

学会規格や施設独自コードは改訂されることがあり、システム更新や調整(マッピング)の見直しが必要になる場合があります。

また、標準規格とのマッピングは外部連携を行う場合には有用ですが、院内完結の運用であれば必須ではありません。

更新や管理は継続的に行う必要がある点がポイントです。

初期教育・運用ルール整備

導入時には医師や技師への教育が欠かせません。

また、コード選択基準を統一していないと、同じ所見でも入力者によって選択肢が異なる“バラつき”が発生することがあります。

さらに、施設の運用に応じて所見を追加・細分化するケースもあるため、運用ルールは継続的に見直すことが望ましいです。

所見コード体系の更新が必要になるタイミング

胸部X線をはじめとする健診や医療機関での画像診断において、所見コード体系は一度導入したらずっと同じものを使い続けると思われがちです。

しかし、実際には途中で別のコード体系に切り替わるケースも少なくありません。

背景にはいくつかの理由があります。

まず多いのがシステム更新やベンダー変更に伴う切り替えです。

PACSや健診管理システムをリプレースする際、新たに導入するベンダーのコード体系に合わせる必要が生じます。

その際には、旧コードと新コードの対応関係を整理する「マッピング作業」が欠かせません。

これは過去のデータを正しく引き継ぐために必須となります。

次に、施設側の運用見直しによる変更です。

たとえば「結節影」という大きなくくりを部位別に細分化して記録精度を高める場合や、逆に健診での統計処理を簡略化するために細かいコードを統合するケースがあります。

施設の方針や業務効率化の観点でコード体系の見直しが行われるのです。

さらに、法規制や保険制度の変更も影響します。

検診の判定基準が改定されたり、保険請求ルールが変更されたりすると、それに対応したコードの修正や置き換えが求められることがあります。

このように、所見コードは固定的なものではなく、医療機関や健診機関の運用、制度改正、システムの更新など、さまざまな要因で変更され得る仕組みです。

変更が必要になった場合には、現場の混乱を避けるために十分な移行準備とマッピング作業が重要となります。

遠隔読影×所見コード

遠隔読影を依頼する際、依頼内容や返却結果をフリーレポートの文章だけに頼っていると、依頼側と読影側の間で表現のブレや解釈の違いが生じやすく、確認や修正が必要になることがあります。

その点、所見コードを導入すれば、依頼時点から共通の枠組みでやり取りできるため「どの所見を求めているのか」「返却された結果をどのように扱うのか」が明確になります。

これにより依頼作業がシンプルになり、依頼内容の伝達ミスや再確認の手間を減らすことが可能です。

さらに、所見コードを活用することで、施設内での入力・変換作業が削減されるだけでなく、返却結果を健診システムにそのまま反映できるため、運用の安定性も高まります。

特に巡回健診や検査件数の多い施設では、依頼から結果確認までの流れがスムーズになり、結果的にスタッフの負担を軽減する効果が期待できます。

注意すべき点

所見コードの導入にあたっては、施設ごとに利用しているシステムや運用ルールに合わせたマッピングが必要です。

また、コード体系は完全に統一されているわけではないため、遠隔読影会社との事前の取り決めが欠かせません。

とはいえ、一度整備しておけば将来的に読影会社を切り替える際もスムーズに移行できるという利点があります。

関連記事:遠隔画像診断支援サービスとは?導入費用や遠隔読影との違いを解説

関連記事:遠隔画像診断システムの導入に向いている医療機関とは?料金や仕組みを解説

まとめ

所見コードは、読影現場における標準化と効率化を支える大切な仕組みです。

誤解の少ない情報伝達やシステムとの円滑な連携、さらに統計や研究への活用など、多くのメリットがあります。

一方で、入力作業が増えることや表現の自由度が制限されること、コード更新に伴う対応が必要になることなど、運用上の課題も存在します。

そのため、導入や継続運用には一定の工夫や労力が欠かせません。

特に遠隔読影では、異なる施設や複数の医師が関与するため、所見コードが“共通の言葉”として大きな役割を果たします。

標準化されたコードを用いることで解釈の違いを減らすことができ、結果の自動取り込みや一括処理も可能となり、業務効率が向上します。

また、読影医の交代や委託先の切り替えといった場面でも、所見コードがあることでスムーズな引き継ぎができ、医療サービスの継続性を保つことができます。

所見コードは単なる入力方式ではなく、医療の質と効率を大きく左右するインフラとも言えます。

メリットと課題を理解しながら活用を続けることが、今後の健診・読影業務における安定した運用につながると考えられます。

YKRでは同一モダリティ内で複数の所見コードを利用することができる所見コード選択機能を搭載しています。

企業や健保団体ごとに異なる所見コードがある場合でも、依頼束単位で設定が可能です。

遠隔画像診断支援サービスについてのご不明点等お気軽にご相談ください。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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巡回健診における遠隔読影導入の効果

近年の医療現場では、健診の受診者数が増加している一方で、スタッフの負担を軽減しながら高品質なサービスを提供することが求められています。

そのため、巡回健診を実施する医療機関においては、効率的な業務運用と高精度な読影が極めて重要な要素となります。

本記事では、遠隔読影導入をご検討中の施設様向けに、具体的な運用方法から導入による効果をわかりやすくご紹介します。

巡回健診の1日の流れ(遠隔読影未導入の場合)

巡回検診 流れ イメージ

巡回健診は、事前準備、健診の実施、結果の報告に至るまで、すべてのプロセスをスムーズに進めることが必要です。

事前準備 

巡回健診当日にトラブルが発生しないようにするためには、事前の機器確認が重要です。

バス内に常設されている胸部および胃部X線装置等、健診に使用するすべての機器が正常に動作するかを一つひとつ丁寧にチェックしましょう。

健診実施

各撮影機器で自動発番されるフィルム番号を確認し、同番号を受診票にナンバリングの押印や転記をしていきます。

この作業は、検診後のデータマッチング作業や結果報告において重要な基盤となるため、細心の注意が必要です。

撮影画像データの確認/保存

健診が終了した後は、すべての撮影データに漏れや欠損がないかを確認します。

万が一、撮影データの一部が記録されていない場合、再撮影が困難なケースが多いため、丁寧かつ正確に確認作業をしましょう。

問題がなければ、撮影データを専用メディア(DVDやUSB等)に保存し、施設に持ち帰る準備を整えます。

マッチング/PACSへ画像登録 

施設へ戻った後、撮影データを健診システム上の受診者情報とマッチングさせる作業を行います。

正しくマッチングされたデータはPACSに登録され、院内のモニター等で画像閲覧ができるようになります。

データの読影・診断 

画像がPACSに登録された後は、所見記載用紙の準備をしたうえで、院内医師へ読影の依頼をします。

このとき、スタッフは多忙な医師のスケジュールを確認し、読影補助として読影立ち合いや画像の表示、診断記録のサポートをしながら読影作業を進めます。

結果入力 

医師記載の診断結果はドイツ語・英語や略語等の記載が多く、専門用語の読解や字体の癖等を把握しなければならないため属人性を生みやすいです。

そのため、診断結果に誤りや記載漏れがないかなど、内容を細かくチェックしながら健診システムに入力していくことが重要です。

健診結果の返却

すべての受診者に対する診断結果が揃った段階で最終的な結果報告書をまとめ、受診者や企業宛に返却します。

返却は、一般的には受診日から約10日〜2週間以内を目安とするケースが多いです。  

遠隔読影導入後のメリット

遠隔読影導入後のメリットを2つ、ご紹介させていただきます。

院内読影の負担軽減

読影依頼を外部に振り分けることで、院内で対応すべき件数をあらかじめ調整・制御し、数が限られている医師の負担を軽減することが可能です。

医師の業務量を計画的に管理できる点は大きなメリットです。

また、院内読影医の専門外の部位や診断に迷う所見があっても、遠隔読影を通じて各科の専門医による助言を得られるメリットもあります。

これらのメリットは、診断の補助や所見の正確性の向上にもつながります。

スタッフの負担軽減

遠隔画像診断導入する場合、以下の作業負担を軽減することが可能です。

  • 医師のスケジュール管理
  • 所見記載用紙の準備
  • 画像表示の介助
  • 診断記録の介助
  • 医師記載文字の解読
  • 診断結果の入力

このように、遠隔画像診断を導入いただくことでスタッフの負担を軽減しつつ、さらに精度の高い診断結果を受診者へ提供することが実現できます。

その他の遠隔読影導入時のメリット・デメリットについては、こちらの記事もご覧ください。

検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介 | YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』

YKR medical labogaがご提供する遠隔読影支援サービス【Radi-Dock】では、巡回検診における医師やスタッフの皆様の負担を軽減しながら、高精度な診断結果を受診者へ伝えるためのサポートをいたします。

まずはお気軽にお問い合わせください。

注意点(遠隔読影導入時)

DICOMデータ化の徹底 

遠隔読影では、画像データを医療標準フォーマットであるDICOM形式に変換して送信する必要があります。

DICOM化されていないデータはシステム上で取り扱うことができず、読影依頼が成立しません。

そのため、事前に機器の設定や運用フローを整え、常にDICOM形式で画像を取り出す体制を構築しておくことが前提となります。 

DICOMタグ情報の管理

遠隔読影の運用では、一般的にDICOMタグの情報を用いて管理しますが、なかでもよく使われているものが「アクセッションNo(受付番号)」とタグ情報:「(0008,0050)Accession Number」です。

多くの施設では撮影データと受診者情報を一意に紐づける際に、このタグに日付やフィルム番号の情報を集約し、患者ID以外の管理をしています。

そのため、遠隔読影を導入する際はタグ情報の重複や整合性に十分注意し、割り振りルールを明確にしておく必要があります。

※YKRメディカルラボ株式会社の読影システム【Radi-Dock】では、アクセッションNo(受付番号)を主に用います。

まとめ

遠隔読影の導入は、巡回健診における読影業務の効率化と診断精度の向上を実現し、医師やスタッフの負担を軽減する有効な手段です。

DICOM形式への統一やDICOM情報の管理など、導入に際してはいくつか注意点もありますが、業務全体の精度とスピードが飛躍的に向上します。

また、現状の院内体制で安定した運用ができている医療機関にとっても、将来的な業務の見直しや改善の一助として活用いただくことも可能です。

YKR medical laboがご提供している【Radi-Dock】では、便利な機能を多く搭載しています。

【束依頼機能】

企業単位や健診バス単位で一括依頼をかけることが出来る束依機能があり、依頼管理の効率化が図れます。また、束ごとに帳票出力が可能です。

【指定所見コード登録】

同一モダリティ下で複数の所見コードを設定することが可能です。

企業や健保団体等、独自の所見コードがある場合も依頼単位で使い分けることが可能になるため施設様で所見の変換が不要になります。

【指定ファイル出力機能】

結果出力形式は、PDFとCSVの2種を標準搭載しており、健診システムにCSVデータを一括インポートすることが可能です。入力業務の大幅な効率化が図れます。

※XML出力も可能

また、オプションにはなりますが、依頼情報連携、DICOM接続、レポート連携も可能です。

健診結果を効率的に管理できるコードレポート機能を標準搭載しています。

多数の受診者対応をする健診機関様の運用に適しています。

是非、業務負担軽減に、各専門科の医師が多く所属している弊社にお任せください。

遠隔読影を導入する前に知っておきたい心電図のDICOM化について

DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)は、医療画像の標準フォーマットとして広く採用されており、さまざまな医療機器間でのデータ共有を可能にします。

健康診断において、心電図検査は循環器疾患の早期発見に不可欠な検査のひとつです。

しかし、従来の心電図データの取り扱いには、紙ベースの記録や機器ごとのフォーマットの違いによる管理や、手入力作業、用紙・ラベルシールの消耗品購入など、さまざまな課題がありました。 

これらの問題を解決するため本記事では、健康診断における心電図データのDICOM化がもたらすメリットについて、遠隔読影や業務効率化の観点から解説します。 

DICOM化のメリット 

心電図のDICOM化とは、心電図の波形データやECGファイルをDICOMフォーマットに変換し、PACS(医療用画像管理システム)で管理できるようにすることを指します。

従来、心電図データは紙に印刷したものが多く、稀にPDF形式で保存されることがあります。

他の医療データと一緒に情報共有(総合判定など)をする際は保存するシステムが異なり、総合判定業務が煩雑になりがちです。

その過程で入力ミスや紛失のリスクが生じる可能性もあります。

しかし、心電図をDICOM化することで、PACSでの管理が可能となり、紙出力やFAX送信の必要がなく、データをそのまま送信することができます。 

さらに、院内の情報をDICOMフォーマットに統一することで、過去の心電図データと現在の検査結果を迅速に照合でき、経時的な変化を正確に把握できます。 

データの正確性と安全性の向上 

心電図のDICOM化には、データの正確性を担保するというメリットもあります。

DICOMでは、波形データや測定値、患者情報などを一元的に管理できるため、データの欠落や変換ミスが発生しにくくなります。

また、DICOMは、医療情報のセキュリティ面にも配慮された規格であり、データの改ざん防止や暗号化による保護機能が組み込まれています。

これにより、遠隔地へのデータ送信時も安全性が確保され、患者情報の漏洩リスクを低減できます。 

遠隔画像診断の活用が容易になる 

近年、遠隔画像診断支援サービス(遠隔読影)を導入する医療機関が増えています。

その背景には、慢性化した放射線科医の不足や読影業務の負担軽減といった課題があり、遠隔読影がそれらの解決策として注目されているからです。

しかし、遠隔読影をスムーズに運用するためには、画像データを適切なフォーマットで管理・共有できることが不可欠です。 

郵送での依頼を受けている会社も減少傾向にあり、現在ではほとんどがDICOM画像での依頼が主流となっています。

遠隔読影を導入する際、新たにシステムを構築するのではなく、既存の診療システムとスムーズに統合できることが理想的です。

DICOMは、CTやMRIだけでなく、PACSや電子カルテとも親和性が高く、心電図データも同じインフラ上で管理できます。

遠隔画像診断を導入する際、読影医に心電図データを共有する必要があります。 

基本的にはDICOM化されているデータの場合、一度USBに画像を落としていただき、 依頼端末にアップロードし、依頼先の医師が読影をいたします。 

DICOM化されていて、DICOM接続もしていれば、PACS経由で迅速にデータを送信でき、USBを介さず送信可能です。 

関連記事:検診の遠隔読影で医療機関が得られるメリットとは?

DICOM化のデメリット 

心電図のDICOM化は、データの一元管理や診断の効率化、医療機関間での情報共有といった多くのメリットをもたらしますが、その一方で、いくつかの課題も考慮する必要があります。

まず、DICOM対応の心電計やPACSとの連携システムを導入するには機器やソフトウェアの購入、インフラ整備などの初期費用がかかります。

また、DICOMデータはPDFやXML形式に比べて容量が大きくなるため、ストレージの負担が増加し、長期保存のための適切なデータ管理が求められます。

さらに、従来の紙運用から移行する際には、スタッフの業務フローの変更が必要となり、一時的な混乱や習熟までの時間が発生する可能性もあります。

システム障害時のリスクといった課題も考えられるため、導入にあたっては十分な準備と適切な運用体制の整備が求められます。

DICOMデータを適切に扱うための知識や運用体制の整備が求められ、システム障害が発生した際にはデータにアクセスできなくなるリスクも考えられます。

これらの点を踏まえ、心電図のDICOM化を進める際には、単にシステムを導入するだけでなく、運用方法やバックアップ体制の整備を含めた総合的な対策を講じることが重要といえます。 

まとめ 

心電図のDICOM化は、データの一元化や遠隔画像診断の円滑な運用など、多くのメリットをご紹介いたしました。

特に、遠隔読影の普及に伴い、DICOMフォーマットでのデータ管理が標準化されつつあるため、医療機関にとって今後の大きな課題となります。 

一方で、DICOM化にはシステム導入の初期コストやストレージ負荷、運用変更に伴う業務フローの見直しなど、いくつかの課題があるため、導入前の準備が欠かせません。

円滑な移行を実現するためには、段階的な導入、スタッフ教育、適切なストレージ管理、障害対策の整備などを進めることが重要です。

DICOM化を検討する際は、自院の運用に合った方法を選択し、導入後の運用を見据え、事前のテスト運用や小規模導入から始めるのも有効な手段です。

実際の業務フローに沿った検証を行うことで、予期せぬ課題を早期に発見し、スムーズな本格運用へと移行しやすくなります。

また、技術的なサポートを受けながら導入を進めることで、運用開始後のトラブルを最小限に抑えることができます。

DICOMデータの管理やバックアップ体制についても事前に検討し、長期的な運用を見据えた計画を立てることが重要です。

心電図のDICOM化は、単なるデータフォーマットの変更ではなく、診断の質の向上や業務効率化にも貢献する取り組みです。

自院の診療体制や将来的な医療環境の変化を考慮しながら、最適な方法で導入を進めることで、より安全で効率的な診療環境を実現できるでしょう。 

YKRメディカルラボでは、70名からなる各科を網羅した専任医師が所属しています。 

当サービスは医療機関担当医制を採用。

専属の読影医師がパートナーとして医療現場を支えます。

前項でも書きましたが、テスト運用や小規模導入から始めることも有効な手段であり、弊社では解約手数料を設けておらず、少ない件数から依頼が可能でございます。 

読影業務でお困りの際は是非ご相談ください。 

監修者紹介

監修者

循環器内科医師:中村 誠之

略歴

2012年 福岡大学卒業

2012年 名古屋第二赤十字病院

2016年 福岡大学病院 循環器内科

2021年 福岡大学医学研究科先端医療科学系専攻博士課程

2022年 ちくさ病院 循環器内科医長

所属学会

日本内科学会

日本循環器学会

日本抗加齢学会

認定資格

日本内科学会 認定医

日本循環器学会

眼底読影とは?遠隔画像診断支援サービスのメリットとデメリットを紹介

眼底読影とは

眼底検査とは目の奥にある眼底とよばれる部分の一部をカメラで撮影し、網膜や視神経、血管などを調べる検査です。

この検査によって得られた画像を眼科医が専門的に解析し、視覚にかかわる異常や疾患の兆候を見つけることが目的となります。

網膜は私たちがものを見るために重要な役割を果たす組織であり、網膜の出血や変性といった異常は重大な所見とされます。

また、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、緑内障といった失明につながる可能性のある疾患を早期に発見し、その進行具合を評価することも眼底検査の重要な役割です。

さらに眼底にある動脈を観察することで、高血圧性の変化や動脈硬化の進行状況を確認することもでき、全身の健康状態の把握にも役立ちます。

眼底読影の課題

眼底読影は、さまざまな疾患を早期に発見できる重要な検査である一方、2008年に特定健診の必須項目から外れ、現在は法定外項目に位置付けられています。

標準的な健康診断には含まれておらず、検査は任意項目として扱われています。

眼底検査は目の健康を守るために大切な検査であるにも関わらず、眼底画像の専門的な解析を行える読影医が常駐する医療機関は少なく、特に地域の小規模病院やクリニックでは眼科専門医が確保しづらい状況にあります。

眼底画像の読影を放射線科医が読影する場合もありますが、眼科の臨床医としての経験がない場合は臨床に即した所見にならない可能性があります。

また、眼底読影を外部に委託する場合は、委託先が限られていることや、画像データのセキュリティ管理、体制の構築などが課題となっています。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

眼底の遠隔画像診断支援サービスのメリット・デメリット

メリット

読影の精度向上

眼科医による読影が難しい医療機関でも、遠隔画像診断支援サービスを依頼することにより専門的な知識をもつ眼科医の診断を受けることができるようになり、読影の精度の向上が期待できます。

眼底検査の診断では微細な変化を識別することが大変重要です。

毛細血管の変化や小さな出血、視神経や黄斑部のわずかな変化などは、糖尿病網膜症や緑内障など失明にもつながる大きな病気の初期症状である可能性があり、健康診断で初めて病気が発覚することも少なくありません。

早期に病気を発見し治療を開始することができれば患者さんの健康に大きく貢献することができるでしょう。

また、医療機関で眼科医が読影できる体制の医療機関でも、遠隔読影を利用することで医師の負担を軽減し院内業務に注力できる助けになり、併用する場合は医療機関内の眼科医と遠隔読影医による二重のチェックが可能になり更に診断の精度が高まるでしょう。

医療機関内での診断体制が強化されると言えます。

医療機関のコスト軽減

医療機関内で眼科専門医の確保するには、給与だけでなく、各種福利厚生や設備投資も必要で、そのコストは施設にとって大きな財政的負担となります。

一方、遠隔読影サービスでは、依頼ごとの費用が事前に明確に分かるため、予算を立てやすく、院内で専門医を常駐させる場合と比較して、コストパフォーマンスが良好であることが多いといえます。

その他眼底に限らず遠隔画像診断支援サービスを利用し依頼するメリットについての関連記事はこちら

関連記事:検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介 | YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』

デメリット

イニシャルコストの発生

医療機関のコスト軽減を実現することは可能です。

一方で、初期費用や月額費用等があることも事実です。

例えば、PACSサーバーとの接続費用やレポートシステムとの連携費用、初期設定費用があげられます。

また、読影依頼がない期間にも月額基本料金等が発生します。

そのため、依頼件数の少ない医療機関にとっては、一件あたりの読影費用で換算すると少し割高に感じてしまうかもしれません。

データセキュリティのリスク

受診者の眼底画像や個人情報を外部に送信するため、データ漏洩のリスクが発生します。

遠隔画像診断のためにインフラやデータ管理がしっかりしていない場合、セキュリティ上の問題が生じる可能性があるため、医療機関は信頼できるプロバイダサービスの選定や適切なセキュリティ対策が必要です。

今後の眼底検査需要に対する遠隔画像診断支援サービスの利用

現在高齢化が進む一方で、健康寿命を延ばす意識が高まっており、健康診断や人間ドッグの受診者数も増加傾向にあります。

そのため眼底画像の読影は時間と専門的な知識を要するため検査数の増加に伴い医師の負担も増すことが予想されます。

眼底検査において専門医が常駐してない場合、非常勤医師が読影を行うことが一般的ですが、その場合納期が安定せず報告書の作成に遅れが生じる可能性があります。

眼科専門医が常駐している医療機関においても、院内業務の多様化のため医師に過度の負担がかかるようになり、勤務医にとって読影業務は困難になってきている現状があります。

読影業務は医師の業務の中では外注できる数少ない業務の一つであるため、読影業務を外部委託する医療機関も増加しています。

また、遠隔画像診断支援サービスでは、専門的な知識をもつ眼科医に読影を依頼することが可能であり、読影精度の向上に大いに貢献できるといえるでしょう。

関連記事:遠隔画像診断支援サービスとは?管理加算や施設基準について解説

遠隔画像診断支援サービスならYKR medical laboにご相談ください

弊社では眼底検査の読影を多く受けております。

各医療機関ごとに読影チームを構成し読影支援を行いますので所見のばらつきを防ぐことができます。

また、現在医療機関で利用している所見コード/判定基準等そのままの内容で読影可能です。

読影内容の擦り合わせ等、お気軽にご相談下さい。

当サービスの導入実績について、詳細はこちらからご確認いただけます

読影医による遠隔読影事例の一覧 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』

まとめ

眼底画像の遠隔読影サービスは、専門医が不足する地域や小規模医療機関にとって、診断の質向上と効率的な運用を可能にする手段です。

これにより糖尿病網膜症や緑内障などの早期発見が促進され、受診者に高水準なケアを提供できます。

導入コストや月額料金の負担はあるものの、院内に専門医を配置する場合と比べ、予算管理がしやすく、長期的なコスト削減も見込めます。

適切なセキュリティ対策を施すことで、データ漏洩リスクも軽減することができます。

遠隔画像診断支援サービス依頼の不安を解消する充実のサービスをご紹介!

YKRメディカルラボの特徴

  • 眼科専門医による読影
  • 一件当たりの読影料金は業界最安値
  • データセンターはOracle社の国内サーバーを使用
  • VPNを構築し、画像情報は匿名化/暗号化されます

遠隔画像診断の導入をお考えの際には、ぜひ一度「YKRメディカルラボ」へご相談ください。

監修者紹介

監修者

眼科専門医 伊藤 裕紀

略歴

2015年 名古屋大学医学部医学科卒業

2018年 名古屋大学医学部附属病院 眼科医員

2019年 江南厚生病院 眼科医師

2022年 中部ろうさい病院 眼科医師

2024年 田辺眼科クリニック 眼科医師

所属学会: 日本眼科学会

認定資格: 眼科専門医

検診の遠隔読影で医療機関が得られるメリットとは?

検診における遠隔読影とは?

遠隔読影の基本概念

遠隔読影とは、医療機関で撮影された放射線画像(X線、CT、MRIなど)を地理的に離れた場所にいる専門の放射線科医が読影・診断する仕組みです。

インターネットを介してデータを送信し、専門家による迅速かつ正確な診断を提供します。

遠隔読影のメリット

遠隔読影には多くのメリットがあります。

まず、地方や小規模な医療機関でも専門的な診断が受けられるため、医療の効率性が向上します。

また、自院で常勤の放射線科医を雇う必要がなくなるため、コストの削減にもつなるのです。

さらに、迅速な対応が可能となり、遅滞なく進めることができます。

遠隔読影は医療の質と効率を大幅に向上させる手段として非常に有効です。

遠隔読影のデメリット

遠隔読影にはいくつかのデメリットも存在します。

まず、インターネット接続の障害が診断の遅延を招く可能性があり、通信トラブルのリスクがあります。

また、データの取り扱いにおけるセキュリティが存在し、プライバシーの問題が懸念が生じる可能性も指摘されているのです。

さらに、遠隔読影では読影医が患者の詳細な病歴や背景情報にアクセスできない場合があり、診断の精度に影響を及ぼす可能性があります。

このように遠隔読影には技術的および運用上の課題があります。

遠隔読影システムの導入方法

遠隔読影を導入する際には以下の機器や設備が必要です。

導入に際し、必要な機器について

高性能PCとモニター

遠隔読影を効率的に行うためには、高解像度の画像を鮮明に表示できる高性能なPCとモニターが不可欠です。

これにより、細部までしっかりと確認することができ、正確な診断が可能となります。

セキュアなインターネット接続

患者の医療データを送受信するためには、高速かつ安定したインターネット接続が必要です。

さらに、セキュリティ対策が施された接続であることが重要です。

暗号化技術を使用してデータを保護し、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを最小限に抑える必要があります。

専用ソフトウェア

画像管理と読影を行うための専用ソフトウェアが必要です。

このソフトウェアは、画像データの取り込み、保存、表示、共有を効率的に行う機能を備えており、放射線科医が正確に診断を行うための重要なサポートとなります。

遠隔読影の導入手順

1,ニーズの確認

自院の診療ニーズを把握することで、適切な遠隔読影サービスを選定します。

具体的には、どの部位の画像診断が最も必要であり、どの程度の読影量が見込まれるかを明確にするのです。

また、遠隔読影を導入することで期待される効果や利点も検討し、それに基づいてサービス提供者を選定します。

2,契約と連携

読影サービス提供会社との契約を行います。

この際には、サービス内容や料金体系、サポート体制などについて詳細な情報を入手し、契約内容を明確にします。

セキュリティやデータ保護に関する要件についても確認し、施設の希望条件と相違ないか確認することも必要です。

3,機器の設置

高性能PC、モニター、セキュアなインターネット接続環境、専用ソフトウェアなど、必要な機器を設置します。

ネットワーク環境を整備するには、安定性とセキュリティを確保するために適切なネットワーク設定とファイアウォールの設置を行います。

また、機器の正しい設置と接続を確認し、トラブルが発生しないように留意することが重要です。

関連記事:読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

遠隔読影の料金体系 

料金体系は診療か、健診かでモダリティに大きく金額差があります。

今回は健診をメインに説明いたします。

特に健診・検診の料金を記載している遠隔画像診断会社は少なく、各会社に問い合わせることが必要といえるでしょう。

初期費用

初期費用は、依頼送信端末と院内システムとの連携内容によって異なります。

DICOM接続なしの費用相場:150,000円~
院内システム・DICOM接続をする連携費用相場:200,000~500,000円

上記相場金額はあくまでも参考であり、院内の運用や導入する遠隔会社によっても変動します。

月額費用

遠隔会社によって指定している専用回線や機器によって異なります。

A社:50,000円
B社:40,000円
C社:35,000円
YKRmedicallabo:25,000円

より詳しい導入コスト(初期費用)・月額費用について知りたいという方は以下の記事をあわせてお読みください。

「遠隔画像診断システムの導入に向いている医療機関とは?料金や仕組みを解説|YKR medical labo(ykr-medical.jp)」

胸部X線(CR)1件あたりの価格

A社:500円胸部単純撮影
B社:600円
YKR:190円

胃部X線(RF)1件当たりの価格

A社:800円胃部造形撮影
B社:1200円透視検査
YKR:320円

YKR medical labo株式会社の料金体系について詳しく知りたいはこちら
放射線科遠隔読影支援サービスとは|3つの特徴と料金価格|YKR Medical Labo (ykr-medical.jp)

検診の遠隔読影の導入事例

実際に遠隔画像診断を導入された施設様の事例を紹介しています。

こちらの施設様は巡回検診と院内健診で異なる運用方法でしたが弊社サービスの導入により柔軟な所見コードのカスタマイズが実現し、業務効率化を実現しました。

詳しくはこちら
施設に寄り添うカスタマイズで運用効率大幅改善「東京都内 健診センター様 導入事例」 – YKR Medical Labo『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

こちらの施設様は年間3万人を超える受診者に対し、広い検査装置を備え、院内健診に特化したクリニックです。

週一回来院の非常勤医師にお願いしていましたが導入により読影納期が3日に短縮され安定した運用が実現しました。

詳しくはこちら
愛知県内 健診センター様 導入事例 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

健診の遠隔読影ならYKR Medical Laboまで

健診・検診領域に特化した遠隔読サービスを提供しています。

特に、巡回健診向けの読影依頼機能が強みで、複数の検査をまとめて依頼することが可能です。

ご連絡いただければお伺いし、施設様にあったご提案をさせていただきます。

どうぞお気軽にご相談ください。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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遠隔画像診断支援サービスとは?導入費用や遠隔読影との違いを解説

遠隔画像診断は、専門医が離れた場所から画像診断を行う医療サービスで、診療報酬の対象にもなります。

また、導入には費用や施設基準の理解が必要であり、遠隔読影との違いも制度上明確です。

本記事では、遠隔画像診断の導入費用の目安や遠隔読影との違い、また、「遠隔画像診断管理加算」の算定条件、施設基準などについてもわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること

◆YKRの遠隔読影支援サービスの詳しいお問い合わせはこちら◆

遠隔画像診断支援サービスとは

遠隔画像診断とは、医療機関で撮影されたCTやMRIなどの医用画像をネットワーク経由で遠隔地の診断センターへ送信し、厚生局へ届出を行った遠隔画像診断施設の専門医が診断結果を返却する医療サービスです。

遠隔読影が所見の提供にとどまるのに対し、遠隔画像診断は診断行為そのものを外部に委託する制度上の仕組みであり、診療報酬では「遠隔画像診断管理加算」の対象となります。

専門医の確保が難しい地域医療機関などでも診断体制を構築できるため、迅速かつ高精度な診断の実現により、業務効率や診療の質の向上に寄与します。

なお、画像データの送受信には、高度なセキュリティ対策が施された通信回線の使用が必須です。

遠隔画像診断支援サービスの導入費用とコスト構造

遠隔画像診断支援サービスを導入する際、初期費用や運用コストは判断材料として非常に重要です。

このセクションでは、「遠隔画像診断」と「遠隔読影」のコスト構造の違いを整理し、それぞれの費用目安や投資回収の視点をわかりやすく解説します。

導入費用を考えるうえでの前提条件と注意点

費用感を正しく把握するためには、以下の点を理解しておくことが重要です。

  • 医療機関の規模や既存設備(例:PACSの有無)によって、初期導入費用は大きく変動します。
  • 契約形態(従量課金/定額制)や、対象モダリティ(CT/MRI/X線など)によっても価格体系は異なります。
  • VPNの構築レベルやクラウド保存の有無など、セキュリティ要件もコストに直結します。
  • 多くのサービスは法人ごとの個別見積もりとなっており、標準的な定価設定がないのが一般的です。

遠隔画像診断と遠隔読影のコスト構造の違い

項目遠隔画像診断遠隔読影
導入費用システム構築費、VPN整備、届出対応などが必要(約50〜150万円)必要最低限の画像送信環境で導入可能(〜50万円)
継続費用月額契約または症例単価(2,000〜5,000円)+保守費用症例単価(1,000〜3,000円)または月額契約(数万円〜)
届出・制度対応厚生局への届出・施設基準の準拠が必要届出不要。契約ベースで柔軟に運用可能
診療報酬の対象「遠隔画像診断管理加算」等で算定可能原則として診療報酬の算定は不可
投資対効果診療報酬収入により初期投資の回収が可能収益性は限定的。業務効率や医師負担軽減が主目的

遠隔画像診断支援サービスの費用目安(初期費用・運用コスト)

初期費用の例(参考)

費用項目概算金額(目安)補足
システム構築費50~100万円PACS連携・画像送受信システムの整備など
VPN・通信回線整備10~30万円セキュリティ要件に応じて設計
保存システム10~20万円画像保存用ストレージ(クラウドまたはローカル)
導入サポート数万円~トレーニング・設定支援など

運用コストの例(参考)

費用項目概算金額(目安)補足
読影委託費1症例あたり2,000〜5,000円CT・MRIの部位・モダリティにより異なる
通信費・保守費月額数千~1万円前後VPN使用料・システム保守費
月額基本料金(定額制)月3万〜10万円症例数に応じて変動あり

※ 上記はあくまで参考例であり、実際の費用は契約内容・施設環境により大きく異なります。

費用対効果と投資回収の考え方

遠隔画像診断の導入により、常勤放射線科医の確保が不要となり、人的リソースや医師の負担を抑えることが可能になります。

また、CT・MRIなどの画像診断機器の稼働率向上にもつながるため、診療体制の効率化と精度の両立が図れます。

さらに、「遠隔画像診断管理加算」などの診療報酬の算定により、初期投資を2〜3年以内で回収できるケースも実際に見られます。

一方、遠隔読影は収益化というよりも、コストを抑えながら専門医の知見を取り入れる手段として活用されるケースが多く、地域医療連携や医師不足対策として柔軟に活用できるメリットがあります。

◆YKRの遠隔読影支援サービスの導入・運用コストのお問い合わせはこちら◆

遠隔画像診断と遠隔読影の違いをわかりやすく解説

まずは、両者の制度的・実務的な違いを一覧表で整理します。

項目遠隔画像診断遠隔読影
医療行為としての位置づけ保険診療として認められる医療行為診療補助としての扱い(診療行為に該当しないことが多い)
診断責任の所在読影内容の責任は外部専門医/診療判断の責任は依頼医全体の診療責任は依頼医が負う
診療報酬「遠隔画像診断管理加算」などの算定が可能原則として診療報酬の対象外
届出の有無厚生局への届出が必要(施設基準あり)届出不要
返却内容診断報告書(診断結果を含む)所見レポート(助言的な内容)
活用目的正式な診断体制の構築所見の補助・セカンドオピニオンなど

遠隔画像診断は、厚生局に届出を行った医療機関の専門医が読影・診断報告を行う制度上認められた医療行為であり、「遠隔画像診断管理加算」などの診療報酬の対象となります。

読影報告書の記載内容に関する責任は遠隔診断を行う医師にありますが、最終的な診療判断や責任は依頼医に帰属します。

一方、遠隔読影は診療補助的な立場で行われることが多く、診断行為そのものとはみなされません。

そのため、診療報酬の対象にはならず、返却されるのは主に助言的な所見レポートです。

導入にあたっては、制度要件・報酬の可否・責任分担の明確化などを考慮し、自施設の運用目的に合った形式を選択することが重要です。

また、遠隔画像診断を実施するためには、読影医の資格や施設側の体制整備(専用の画像通信回線や保存システムなど)も求められます。

制度面の要件を満たすことで、初めて診療報酬の算定が可能となります。

遠隔画像診断に関連する診療報酬と算定条件

遠隔画像診断は、制度上も診療報酬の対象とされており、条件を満たせば「画像診断管理加算(1〜3)」などを算定できます。

このセクションでは、診療報酬上の位置づけと加算の概要、算定要件、注意点について整理します。

診療報酬上の位置づけと対象となる加算

遠隔画像診断は、保険診療として制度上認められた医療行為であり、所定の施設基準と届出要件を満たすことで、診療報酬の加算対象となります。

主な加算として「画像診断管理加算(1~3)」があり、これは放射線科医などがCTやMRI等の画像診断について読影・管理を行った場合に算定できる加算です。

ちなみに、遠隔画像診断であっても、体制と運用が整っていれば、これらの加算を算定することが可能です。

なお、加算の算定は、依頼元の医療機関(=画像提供側)が行う形となります。

「遠隔画像診断管理加算」の算定要件と具体的な点数

2024年度診療報酬点数表では、以下のように定められています。

加算区分点数(2024年改定)主な対象施設・要件
画像診断管理加算170点/月1回放射線科医の配置、PACSの導入など基本体制を満たす施設
画像診断管理加算2175点/月1回CTまたはMRIの読影結果を、翌診療日までに報告できる体制
画像診断管理加算3300点/月1回夜間・休日も含めた24時間体制の構築(主に中核病院向け)

いずれも月1回が上限であり、加算1〜3はいずれか1つのみ算定可能です。

算定にあたっての注意点と算定不可のケース

以下の点に留意が必要です。

  • 厚生局への事前の届出および施設基準の遵守が必須です。届出がない状態では加算は算定できません。
  • 遠隔読影サービス(助言・所見のみ)では、制度上の加算対象とはなりません。
  • 診断責任が遠隔医に明確に委託され、正式な診断報告書が返却される体制が必要です。
  • 外部読影会社の所見レポートをそのまま使用するだけのケースでは、診療報酬の加算要件を満たさない可能性があります。
  • 常勤医の配置や報告速度など、実際の運用体制が施設基準を満たしていない場合も、算定は認められません。
  • 画像診断管理加算1〜3は併算定不可であり、1つのみ月1回までの算定となります。

制度に基づく適切な算定を行うためには、加算の要件と自院の体制を照らし合わせ、届出・体制整備・読影運用の3点を制度準拠で整えることが不可欠です。

◆YKRの遠隔読影支援サービスに関するお問い合わせはこちら◆

遠隔画像診断に必要な施設基準と導入要件

遠隔画像診断による診療報酬算定には、厚生労働省が定めた施設基準の遵守届出の実施が不可欠です。

このセクションでは、施設基準の概要、必要な体制・設備、そしてセキュリティや個人情報保護への対応について、医療機関の導入担当者向けにわかりやすく整理します。

厚生労働省が定める施設基準の概要

遠隔画像診断を実施するためには、画像の提供元(送信側)と診断を行う側(受信側)の両方が、所定の施設基準を満たし、地方厚生局への届出を行う必要があります。

区分主な基準内容
送信側(撮影施設)・CTやMRIなどの画像撮影装置を保有し、
・画像送受信に必要なシステム・回線を整備していること
・読影は届出済の保険医療機関に限り、再委託を行わないこと
受信側(診断施設)保険医療機関であること
放射線科を標榜し、常勤の画像診断医を配置していること
・画像診断管理加算1~3に応じた読影・報告体制を整えていること

※加算1~3の算定には、それぞれに対応する診断体制(報告期限、夜間対応など)を構築する必要があります。

ちなみに、届出の対象は基本的に「受信側(診断機関)」ですが、送信側についても再委託の有無や通信体制を含め、要件を満たしている必要があります。

届出や運用に必要な体制・設備

遠隔画像診断による診療報酬を算定するには、以下のような体制整備と文書管理が求められます。

  • 厚生労働省指定の届出様式(様式34および35)により、地方厚生局に届出を提出
  • 運用マニュアルや業務フローを整備し、読影体制や常勤医師の勤務状況を文書で管理
  • 読影報告のスピード(例:加算2では翌診療日まで)を確認・記録できる体制
  • 届出後も、常勤医の退職や体制変更があった場合は、速やかに変更届出が必要

ちなみに、施設基準は「一度届出すれば終わり」ではなく、維持・更新・変更時の対応も制度上義務付けられています。適正な運用が継続されていなければ、加算の算定が認められない可能性があります。

セキュリティ・個人情報保護への対応

遠隔画像診断では、医用画像をインターネット経由で送受信するため、医療情報の安全管理が重要です。

厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6.0版)」に基づき、以下の対応が求められます。

技術的対策の例

  • VPNや閉域網による暗号化通信
  • 端末ごとのアクセス権限設定
  • 操作ログの取得と保管
  • 利用者識別・認証(ID/PW、ICカード等)

組織的対策の例

  • セキュリティポリシーの策定
  • 委託業者との契約における責任範囲の明確化
  • 情報漏えい発生時の対応フロー整備

また、遠隔読影サービスにおいて外部の読影医やクラウドサーバを利用する場合には、以下の点にも注意が必要です。

  • 第三者提供に該当する場合は、個人情報保護法に基づき、本人の明示的な同意取得と記録管理が必要です。
  • 業務委託に該当する場合は、守秘義務を含む契約の締結および委託先に対する適切な監督が求められます。

このように、データの授受形態が「第三者提供」か「委託」かによって求められる措置は異なります。導入にあたっては、自院の運用形態に応じた法的整理と体制整備が重要です。

以上が、遠隔画像診断を制度に則って実施・運用するために必要な施設基準・体制・セキュリティ対策の要点です。

導入前には、自院の体制が施設基準を満たしているか、必要な整備・人材確保・書類対応が可能かを確認し、届出~運用~監査対応までを見越した設計を行うことが不可欠です。

◆YKRの遠隔読影支援サービスの施設基準に関するお問い合わせはこちら◆

遠隔画像診断支援サービス(遠隔読影支援サービス)の導入事例

遠隔画像診断支援サービス(遠隔読影支援サービス)を実際に導入した主な事例をご紹介します。

導入事例①:東北地方・クリニック

項目内容
地域東北地方
医療機関種別クリニック
読影依頼内容MMG(マンモグラフィ)
導入前の課題– 読影医の人手不足により納期が不安定
– 郵送依頼による手間と時間
– ダブル読影で1か月以上かかることも
導入の決め手– 読影医の専門性と安定した納品体制
– 緊急性が低い検査でも納期を確保できる点
– 納品スピードと品質に納得し導入を決定
導入後の効果– 郵送作業が不要になり、毎日の依頼が可能に
– 所見のばらつきが減り、担当医制で一貫性向上
「まるで医師が一人増えたかのような」院内体制の強化
– MMG読影医は全員ASまたはA判定の認定医で安心

⇒東北地方・クリニックの導入事例の詳しい記事はこちら

導入事例②:西日本・診療所

項目内容
地域西日本
医療機関種別診療所
読影依頼内容胃部RF
導入前の課題– 読影医の急病で診療体制が崩壊の危機
– 代替手段がなく、診断・治療に支障が出る恐れ
導入の決め手– 以前説明を受けており、理解と判断がスムーズだった
– 担当者の迅速な訪問により即時導入が可能だった
導入後の効果診療に混乱が生じず、体制を維持できた
– 複数医による診断体制で品質とスピードを確保
「何かあっても大丈夫」という安心感を得られた

⇒西日本・診療所の導入事例の詳しい記事はこちら

導入事例③:関東地方・病院

項目内容
地域関東地方
医療機関種別病院
読影依頼内容胸部/眼底/DWIBS
導入前の課題– 読影費が高騰し、病院全体の経費を圧迫
– コスト削減が急務だった
導入の決め手– 健診部門をYKRに変更、診療部門は従来継続
– 柔軟な2社併用体制でリスク分散が可能だった
導入後の効果– 健診部門の読影コストを大幅に削減
– 品質も維持され、現場からも高評価
– 検診拡充にも耐えうる持続可能な体制が整った

⇒関東地方・病院の導入事例の詳しい記事はこちら

導入事例④:関西地方・健診センター

項目内容
地域関西地方
医療機関種別健診センター
読影依頼内容胸部CR/じん肺/US
導入前の課題– 慢性的な医師不足で業務が逼迫
– 導入検討はされていたが実行されず、負担が深刻化
導入の決め手– 営業説明で導入効果に確信を持ち決断
– 医師の負担軽減と業務安定化を期待
導入後の効果– 読影が安定し、業務がスムーズに
– スタッフの負担軽減、職場環境の改善にも寄与

⇒関西地方・健診センターの導入事例の詳しい記事はこちら

導入事例⑤:東海地方・クリニック

項目内容
地域東海地方
医療機関種別クリニック
読影依頼内容胸部CR
導入前の課題– 放射線科医の不足と受診者増加により返却が遅延
– 複数社の比較に迷い、決断に至らなかった
導入の決め手– 放射線科以外の領域にも対応できる将来性を評価
– モダリティ対応の広さが安心材料となった
導入後の効果– 読影納期が従来の1/3以下に短縮
– 他科からの依頼も検討されるなど導入効果が波及

⇒東海地方・クリニックの導入事例の詳しい記事はこちら

遠隔画像診断支援サービスならYKR medical laboにご相談ください

遠隔画像診断支援サービスを利用するためには、CTやMRIといった医療機器、専用のITシステムや高セキュリティの通信ネットワークなども整備しなければなりません。

現在、遠隔画像診断サービスの導入を検討している、または、導入が可能かお悩みでしたら、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

YKR medical laboでは医療機関向け遠隔画像診断支援サービスを提供しており、40名以上からなる各診療科の読影医が診断を行っております。

また、CTやMRI画像の診断には、1枚単位で課金されるサービスも少なくありません。

しかし、YKR medical laboではそのような課金の仕組みは採用しておらず、部位やスライス数無制限で依頼が可能です。

さらに、MRIを活用した最新のがん検査「DWIBS」にも対応しており、DWIBS検査の読影医が不在の医療機関でも高度な医療サービスを提供できます。

◆YKRの遠隔読影支援サービスの詳しいお問い合わせはこちら◆

まとめ

遠隔画像診断や遠隔読影の導入は、医師不足・読影遅延・コスト増といった多くの医療機関が抱える課題に対して、現実的かつ効果的な解決策となります。

本記事で紹介した5つの事例では、診療所や病院、健診センターなど異なる規模・用途の施設が、それぞれのニーズに応じた形で制度対応・納期短縮・品質担保を実現していました。

導入の決め手として共通していたのは、「診療体制の維持・安定」や「担当者の迅速な対応」への信頼です。

読影業務を外部に委託しながらも、まるで院内に専任医が増えたかのような安心感と効率性を得た各施設の実例は、これから導入を検討する医療機関にとって大きな参考になるでしょう。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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マンモグラフィの読影医とは?認定試験の合格率やランクについて解説

乳がんを早期発見し治療につなげるために、マンモグラフィ検診を受ける女性は年々増加しています。

X線によって画像を撮影するマンモグラフィ検診は、正確な診断を行うために読影のスキルが求められることから、読影医のニーズが高まっています。

本記事では、マンモグラフィ読影医とはどういった役割を果たすのか、認定されるための条件なども詳しく解説します。

◆YKRの読影支援サービスはこちら◆

マンモグラフィ読影医とは

マンモグラフィ読影医とは、乳腺X線検査(マンモグラフィ)で撮影した画像を読み解き、乳がんなどの診断を行う専門医のことを指します。

NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会が認定しており、マンモグラフィ読影医になるためには以下の3つの条件を満たす必要があります

  1. 医師免許を持っていること
  2. 2日間の講習を受けること
  3. 講習後に実施される試験に合格すること

放射線診断専門医などの専門医の資格を取得するためには、数年単位の研修を受ける必要がありますが、マンモグラフィ読影医の場合は最低2日間の講習となっています。

また、学会における研究発表などの条件は特に定められていません。

ただし、講習後に実施される専門医試験に合格することが条件として定められています。

そのため、誰でも簡単に認定を受けられるものではなく、高度な知識と専門性が求められます。

関連記事:読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

マンモグラフィ読影医の重要性

マンモグラフィ読影医の認定はほかの専門医に比べて歴史は短く、制度が運用されてから十数年しか経っていません。

見方を変えれば、マンモグラフィ読影医のニーズが急速に高まっていることの現れでもあります。

乳がんの患者数は1900年代半ばから増加し続けており、2019年のデータでは女性の罹患数が97,142人に達しています。

部位別のがん罹患数を比較してみても、二位の大腸がん(67,753人)を大きく引き離しトップとなっています。

乳がんは初期症状が分かりづらく、また触診や視診だけでは精度の高い診断が難しいです。

こうして、乳腺エコーやX線によるマンモグラフィ検査が本格的に導入されることとなりました。

しかし、マンモグラフィ検査によってX線画像を撮影しても、それを読み解くだけの知識や経験がなければ正確な診断を行うことができません

そこで、乳がんの早期発見と適切な治療につなげるためにマンモグラフィ読影医は欠かせない存在といえるのです。

◆YKRの読影支援サービスはこちら◆

マンモグラフィ読影医にはランクがある?

一口にマンモグラフィ読影医といってもさまざまなランクが存在します。

どのようにランクは決定されるのか、それぞれのランクの違いもあわせて紹介しましょう。

A~Dまでの4段階評価

マンモグラフィ読影医を認定しているマンモグラフィ検診精度管理中央委員会では、試験評価に応じてA・B・C・Dの4段階にランクを設定しています。

Aランク:検診マンモグラフィ読影と指導の実力がある

Bランク:検診マンモグラフィ読影の実力がある

Cランク:指導医とともにマンモグラフィ読影ができる

Dランク:読影を始める前に基礎の学習を要する

試験の成績が良好なA・Bのランクの医師は「検診マンモグラフィ読影医師」または「撮影診療放射線技師・医師」と認定されます。

ランクアップ試験に受験可能

残念ながら試験結果が芳しくなく、Bランク以下に認定された場合であっても、6ヶ月以上の臨床経験を積んだ後にランクアップ試験を受験することも可能です。

また、資格更新制度が設けられているため、一度資格を認定されたからといって生涯有効ではありません。

5年に1回の頻度で、講習の受講と試験に合格することが義務付けられています

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

マンモグラフィ読影医のAS評価とは?

マンモグラフィ読影医の認定試験でAランクを得た人のなかで、最上位の医師は「AS」とよばれる特別な評価を得ることができます。

これはAランクと同様に「検診マンモグラフィ読影と指導の実力がある」ことの証明ですが、それだけでなく読影指導医としても認定されます

具体的には、Aランクに認定されるために「感度90%以上」「特異度92%以上」という基準があります。

AS評価を得るためには「C感度85%以上」という条件も追加されます。

試験の受験者数によっても割合は異なりますが、AS評価を取得できるのは上位2割から3割程度に限られます

関連記事:読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

遠隔読影ならYKR medical laboまでご相談ください

マンモグラフィ読影医になるために、多くの医師が講習会を受講し試験に挑戦しており、徐々に第一線で活躍する医師は増え続けています。

しかし、それでも読影医の数は十分とはいえず、医療機関によってはマンモグラフィのX線撮影ができても読影に対応できないというケースは珍しくありません。

さらにマンモグラフィ検診以外に視点を広げてみると、CTやMRIの検査画像を読影できる専門医も圧倒的に不足している状況です。

このような医療現場が抱える課題を解決するために「遠隔読影サービス」が注目されています

これはマンモグラフィやCT、MRIなどの検査機器で撮影した画像データを、インターネット回線によって専門医に読影してもらうという医療機関向けのサービスです

読影医が常駐していない医療機関でも正確な読影が可能となり、地方と都市部における医療格差の是正にもつながると期待されています。

YKR medical laboではマンモグラフィやCT、MRIなどさまざまな検査に対応した遠隔読影サービスを提供しています。

約40名の読影医が検査画像を確認し、レポートとして報告することができます。

◆YKRの読影支援サービスはこちら◆

まとめ

乳がんの早期発見や治療につなげるためにはこまめな検査が不可欠であり、マンモグラフィ検診を受ける女性は増加しています。

しかし、X線画像を撮影しただけで正確な診断ができるとは限らず、読影の知見と経験をもった専門医は不可欠です。

マンモグラフィ読影医は最低2日間の講習受講と試験に合格することで認定を受けられるため、受講する医師も少しずつ増えています。

しかし、それでもマンモグラフィ読影医が足りている状況とはいえないため、医療現場の課題を解決する手段として遠隔読影サービスが注目されています。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

病気やケガなどが疑われる場合、CTやMRIといった機器で精密検査を受ける必要があります。

このとき、撮影した画像を読み解き正確に診断するためは、「読影医」とよばれる専門医が不可欠です。

本記事では、読影医とはどういった役割を果たす医師なのか、混同しやすい放射線科医や放射線技師との違いなどもあわせてご紹介します。

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読影医とは?

CTやMRIなどの検査機器で撮影した画像を読み解き、病気の原因や状態を判断することを読影とよびます。

読影医とは、その名の通り読影を行う医師のことで、多くの医療機関において放射線科の専門医が担当するケースが一般的です。

もちろん、内科医や外科医といった各診療科目の医師もある程度の読影には対応できますが、放射線科の専門医は日々多くの検査画像を目にしています。

そのため、読影に特化した専門的なスキルを活かし読影医として活躍しています。

読影医になるには?

医師免許があり読影のスキルを身につけていれば、一般の診療科目の専門医でも読影医として活躍することはできます。

しかし、上記でも説明した通り、読影医は放射線科の医師が担当するケースが多いため、今回は放射線科専門医になるための方法をご紹介しましょう。

まず、医師免許を取得した後は2年間の初期研修を受け、さらに放射線科へ入局してから最低3年間以上の放射線科研修を受けます。

すべての研修が終わったら認定試験を受験し、これに合格することで放射線科専門医となることができます。

ちなみに、検査や診断に特化した「放射線診断専門医」の認定を受けることで読影医として高度な専門性を身につけることが可能です。

専門医の認定試験に合格後、さらに2年間の研修と認定試験、5年ごとの資格更新も必要となります。

以上のことから、放射線専門医になるためには最短で29歳。

放射線診断専門医の認定を受けるには31歳といったように、長い年月を要します

関連記事:読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

読影医と放射線科医の違い

放射線科専門医には、上記で紹介した「放射線診断専門医」のほかに、「放射線治療専門医」も存在します。

ただし、診断専門医と治療専門医を両方同時に認定されることはないため、いずれか一方を選択する必要があります。

読影医として活躍しているのは放射線診断専門医が多いため、一般的には「読影医=放射線診断専門医」と認識されるケースがほとんどです。

一方、放射線治療専門医はあくまでも放射線治療のスペシャリストであり、主にがんの治療を担当することが多いです。

そのため、必ずしもすべての放射線科医が読影医というわけではありません。

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放射線科医と放射線技師の違い

放射線科医と混同されやすいのが「放射線技師」ですが、両者が果たす役割や業務内容は全く異なります。

まず、放射線科医はあくまでも医師であることから、上記で紹介した読影はもちろんのこと、患者と対面しての診察や治療なども行うことが可能です。

これに対し、放射線技師は医師ではないため、対応できる業務はCTやMRIなどの検査機器を使っての画像撮影および放射線の照射に限られるのです。

また、検査で画像撮影を行う際もどの検査機器を使用するか、撮影範囲などは医師の指示を受ける必要があります。

そのため、放射線技師は読影や治療に対応できず、医師免許も持たないため放射線科医とは全く異なる職種といえます。

ただし、検査機器を安全に使用するためには技術的な専門知識が求められるため、放射線科医を支える技術者としてなくてはならない存在です。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

読影医が不足している?

CTやMRIといった高度な医療設備が整っていたとしても、撮影した画像を手がかりに適切な診断を行える読影医がいなければ医療現場は成り立ちません。

しかし、医療業界は深刻な人手不足に悩まされており、読影医も例外ではありません。

日本の医療業界の実情はどのようになっているのか、詳しく解説しましょう。

読影医は深刻な人材難に悩まされている

読影に関する高度な知見をもった放射線診断専門医は日本国内にわずか5,000人しかおらず、慢性的な人手不足が続いています。

専門医が少ないということは医師にかかる負担も大きく、一人あたりのCT・MRIの検査数は8,000件以上にのぼります。

これは世界的に見ても圧倒的に高い数字で、2番目に多いアメリカの約3,000件と比較しても倍以上の差があります。

また、CTやMRIといった設備が整っている医療機関において、放射線診断専門医が常駐している割合も16〜25%と低いです。

このようなデータからも、読影医は人手不足の状況にあることは明白です。

見落としによる医療トラブルが発生

読影医が常駐していない7割以上の医療機関では、放射線診断専門医以外の医師が読影を行っています。

しかし、上記でも説明した通り、読影には高度な知見と豊富な経験が求められます。

放射線診断専門医以外の医師では、所見の見落としや診断ミスが増加するリスクも秘めています。

実際に、国内の大学病院においてCT画像を見落とし、それが原因でがん患者が死亡するといったケースも発生しているのです。

放射線診断専門医の数は近年になって少しずつ増加傾向にありますが、少子高齢化が進むなかでは読影医のニーズがさらに高まるのは必至です。

読影医不足は解消されるどころか、さらに深刻化する懸念があります。

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読影医不足を解決する遠隔読影サービス

読影医不足は日本の医療業界が抱える深刻な課題のひとつです。

日本社会全体が人手不足に陥っている現在、読影医が飛躍的に増えることは現実的ではないため、限られた人員のなかで医療の質を担保していかなくてはなりません。

そこで注目されているのが「遠隔読影サービス」です。

通常、読影は検査を行った医療機関において、そこに常駐している専門医が画像を見て診断を行います。

そのため、検査機器は揃っているものの読影医が不在の医療機関では、検査や診断が難しい場合が多くあります。

遠隔読影サービスとは、撮影した検査画像のデータを遠く離れた医療機関へネットワークを経由して送信し、そこに常駐している専門医に読影を依頼するという仕組みです。

これにより、検査機器はあるものの読影医が常駐していない医療機関でも、検査と診断が可能になり、読影医不足を解消できると期待されているのです。

関連記事:遠隔読影サービスとは?必要な機器や導入すべき医療機関の特徴

遠隔読影サービスならYKR medical laboへご相談ください

遠隔読影を行うためには、CTやMRIといった検査機器はもちろんのこと、画像を管理・やり取りするためのシステムやセキュリティ対策が講じられたネットワーク回線も必要です。

しかし、これらを医療機関が一から構築するには膨大な手間とコストがかかることから、専門のサービスを契約するのが一般的です。

信頼性が高くコストも抑えられる遠隔読影サービスをお探しの場合には、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

YKR medical laboでは、CTおよびMRI画像、マンモグラフィーなどの画像診断に対応しており、安価な費用で利用できます

40名以上の各診療科の専門医が読影を行い、その結果をレポートとして返却するため、専門医が常駐していない医療機関でも高度な診断を可能とします。

さらに、病院内で運用している院内システムをそのまま流用することもできるため、検査機器が揃っていれば大規模な設備投資を行うことなく、遠隔読影を導入可能です。

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まとめ

読影医とはCTやMRIなどで撮影した画像を読み解き、正確な診断を行う専門医であり、主に放射線診断専門医が担うケースが多くあります。

しかし、全国的に見ても読影医の数は十分ではなく、ほとんどの医療機関において読影医は常駐していないというのが実情です。

放射線科以外の診療科の医師が読影を行うことで、誤診や見落としによって病気が知らない間に進行していたという事例も発生しています。

深刻な読影医不足の問題を解決するためには、遠隔読影サービスの活用もひとつの方法といえるでしょう。

医療の質を低下させないために、遠隔読影サービスの導入を検討している医療機関においては、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

関連サイト:医療業界が人材不足になっている原因とは?解消にはM&Aがおすすめ株式会社M&Aベストパートナーズ

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

医療機関においてCT検査やMRI検査を行う際には、撮影した画像をもとに病気の原因や現在の状態を正確に把握しなければなりません。

このときに重要なのが「読影」です。

本記事では、読影が求められる場面や現在の医療業界が抱える読影の課題、それを解決するために注目されている「遠隔読影サービス」についても詳しく解説します。

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読影とは?読み方は?

「読影(どくえい)」とは、医療機関において撮影されたCT画像やMRI画像、内視鏡などの検査画像を専門医が読み解き、病気やケガの診断を行う行為を指します。

医療機関には高度な検査機器がありますが、これらで撮影された画像を患者が見てもどこが悪いのか判断は難しいものです。

検査画像をもとに小さな手がかりも見逃すことなく、わずかな異常を発見することが適切な治療につながっていくことから、読影は極めて重要です。

また、読影に対応できる知識やノウハウをもった専門医は読影医とよばれます。

内科医や外科医もある程度の読影は可能ですが、放射線科の専門医が読影医として担当することがほとんどです。

読影が活用される場面

読影はどのような検査の場面で活用されているのでしょうか。代表的なものを5つご紹介します。

単純X線

一般的にレントゲン写真とよばれるのが、単純X線です。

ケガをした際に骨に異常がないかを調べたり、胸部や腹部などの画像診断にも用いられることがあります。

胃部RF検査

RF検査とは、特殊なX線装置によってリアルタイムの映像を撮影し、それを読影することでさまざまな病気の診断に役立てる検査方法です。

人間ドックで行われる胃のバリウム検査は、その代表例でもあります。

心電図

読影に用いられるのは、放射線機器によって撮影された画像だけではありません。

たとえば、心臓の動きをグラフとして可視化した心電図を読影することにより、心筋梗塞や不整脈といった重篤な疾患を発見できるケースもあります。

エコー検査

エコー検査とは、超音波が体内の組織や臓器などから跳ね返ってくる特性を活かし、画像として映し出す検査方法です。

エコー画像を読影することで、ガンをはじめとしたさまざまな疾患の状態を把握したり、早期発見につなげられることもあります。

眼底検査

眼底検査とは、目の奥にある眼底とよばれる部分を特殊なカメラで撮影し、血管や網膜などに異常がないかを調べる検査方法です。

撮影した画像を読影することにより、たとえば緑内障や眼底出血、糖尿病などの発見につなげられます。

内視鏡検査

内視鏡は、胃がんや食道がん、大腸がんなどの診断や治療にも用いられます。

特殊な小型カメラを搭載した細い管を体内に挿入し、消化器官の画像や映像を読影することで初期のガンの発見につながることもあります。

CT検査

CTは体のあらゆる方向からX線を照射することで、体全体を輪切りにしたような画像を撮影できます。

複数枚のCT画像を組み合わせることで立体的な画像が完成し、これを読影することで病気やケガの詳細な原因究明に役立ちます。

MRI検査

MRIは放射線は用いず、磁力によって撮影を行います。

縦や横、斜め方向からも撮影できるため自由度が高く、頭蓋骨や脊髄など様々な領域の検査・読影に多く用いられます。

関連記事:検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介

読影の課題

読影は、病気やケガなどの進行を知るための重要な手段ですが、課題を抱えている医療機関も少なくありません。

現在、医療業界は深刻な医師不足に直面しており、特に地方の医療機関では常駐の専門医がおらず、外部からの医師の派遣に頼っているところも多く存在します。

また、診療科のなかでも放射線科の専門医は特に不足が顕著で、放射線科医1人あたりのCT・MRIの検査数は8,000件以上にのぼるといわれています。

膨大な検査と読影をこなさなければならず、その分専門医にかかる負担も年々増加傾向にあるのです。

さらに、専門医といえども人間である以上、負担がかかりすぎてしまうと集中力が維持できず、その結果読影のミスや見落としが発生するリスクも考えられます。

このように、読影を行う専門医の不足は医師の過重労働につながるばかりではなく、患者にとっても重篤な病気を見落とされる懸念があります。

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読影での見落としを防ぐには

専門医の不足は、特定の医療機関だけでの問題ではなく、日本の医療業界全体の問題といえます。

しかし、そのようななかでも読影のミスや見落としを防ぎ、医療の質を落とさないためにはどういった対策が有効なのでしょうか。

二重確認法を実践する

二重確認法とはその名の通り、読影を担当する医師だけでなく、別の医師も画像を読影し直す方法です。

ダブルチェックともよばれ、読影のミスや見落としを防ぐための初歩的な手法といえます。

具体的には、主治医が読影し画像診断レポートを作成し、その後に放射線科の専門医が再び確認するパターンが代表的です。

二重確認法を実践することで、読影のスキルや知見が高くない主治医であっても、読影の専門医から見直してもらうことで検査の質を担保できます。

遠隔読影サービスを利用する

二重確認法を実践するためには、医療機関内に放射線科の専門医が常駐していることが前提となります。

しかし、医師不足が深刻化するなかではそのような体制が確保できないという医療機関も少なくありません。

そのような場合には、遠隔読影サービスの利用もひとつの手です。

検査画像のデータを別の医療機関へ送信し、遠隔地にいる放射線科の専門医に確認してもらうことで実質的なダブルチェック体制を整備できます。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

読影の課題を解決する遠隔読影サービス

遠隔読影サービスは専門医が不足する現在の日本において、読影の課題を解消できる可能性のある方法といえます。

医師の数が限られる中小規模の医療機関では、つねに外来や入院患者の診察、オペなどの対応に追われ、読影に十分な時間をかけられないというケースも多いでしょう。

また、内科医や外科医だけでは読影の知見が不足し、検査画像の見落としによって病気が進行していく危険もあります。

遠隔読影は、このような医療業界が抱える課題を解決する方法のひとつですが、医療機関が単独でシステムを一から構築するとなると膨大なコストと時間を要します。

そこで、遠隔読影サービスを利用することでシステム構築のコストと時間を節約でき、短期間で導入および運用体制が構築できるでしょう。

また、遠隔読影サービスには、高度な読影の知見と経験をもった専門医が多数在籍しています。

そのため、対応が難しい高度な読影についても、見落としや診断ミスを防ぎ検査の質を担保できると考えます。

関連記事:読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

遠隔読影サービスならYKR medical laboへご相談ください

遠隔読影サービスを提供している企業は数多く存在するため、どこに相談・依頼すれば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。

そのような場合には、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

放射線科遠隔読影支援サービスを提供しているほか、心電図遠隔読影支援サービスや超音波遠隔読影支援サービスなどもご用意。

各診療科の専門医が40名以上在籍しており、高度なスキルが求められる読影にも対応できます

また、MRIを使用した最新のがん検査「DWIBS」の読影にも対応しており、1件あたり7,500円からという低料金で依頼できます。

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まとめ

医療機関においてさまざまな検査機器で撮影した画像をもとに、病気の原因や状態を正確に把握するには「読影」が不可欠です。

しかし、正確な読影を行うには放射線科の専門医や読影のスキルをもった医師が必要であり、医師不足が深刻化する医療業界では大きな課題といえます。

遠隔読影サービスはこのような医療現場の課題を解決する手段のひとつで、画像診断の見落としやミスを防げる可能性があります。

遠隔読影サービスをいち早く導入したいとお考えの際には、まずはYKR medical laboへご相談ください。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介

検診における医療機関に多い悩み

読影医の人手不足

読影医の業務は非常に専門的かつ責任重大なものであり、検査結果を適切に読影するためには時間と専門性が必要です。

近年、健康意識の向上や医学技術の進歩に伴い、検診の需要が増加しています。

多くの人が健康診断を受けるようになりましたが、その結果、読影医の必要性も高まっているのです。

しかし、その裏側では読影医の高齢化が進んでいます。

高度な技術と経験を要する医師の引退後の急な人員確保は難しく、残された読影医の業務量が増加し、モチベーションの低下や人材の定着率の低下につながっています。

繁忙期と閑散期の差

検診は企業や学校が定期的に実施する健康管理の一環として重要な役割を果たしています。

そのため、特定の時期においては検診の需要が急増し、逆に別の時期には需要が低下するといった繁忙期と閑散期が存在します。

4月から6月にかけては学生健診や入社後健診が行われ、これに伴い、医療機関や検診センターは受診に対応するために繁忙期を迎えるのです。

繁忙期には検診を申し込む企業や学校が急増し、予約が取りづらくなることがあります。

この期間に健康診断の予約が取れない企業が9月から11月に予約するため、実質この期間も繁忙期と言えるでしょう。

その一方で1月から3月にかけては企業や学校が年度初めや新学期の始まりとなる時期であり、検診の需要が低下します。

このため、1年間を通して繁忙期と閑散期の差が大きく存在します。

結果報告書作成期間の短縮

健診機関における評価指標の一つに、健診結果報告書の納期短縮が挙げられます。

精度の良い健診結果報告書を、受診者の手元にいかに早く届けるかを真剣に取り組んでいるのです。

結果報告書の平均納期は地域差によって異なりますが、4週間前後が平均的で、2週間を目標に運用している健診機関もあります。

さらに早いところでは10日を目標としている健診機関や、最近では、当日に結果報告書を受診者に渡すプレミアムドックも流行り始めています。

結果報告書の作成期間を長期化させている要因は様々です。

複数の医師が必要となる画像診断業務が足枷となるケースが多く見受けられます。

主だった画像診断は、胸部X線検査、胃透視検査ですが、それに加えて各種超音波検査、眼底検査、内視鏡検査、胸部CT検査、脳ドックMRIなど健診機関が扱っている画像診断検査は多様です。

各検査それぞれに得意とする医師が違うため、医師を充足できるかが課題となっています。

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検診画像診断を遠隔読影支援サービスで行うメリット

読影医の遠隔配置による人手不足の緩和

遠隔読影支援サービスは、医師が物理的に患者のいる地域に常駐する必要がないため、医師が少ない地域や遠隔地にも専門的な読影医を配置することが可能です。

都心から遠い地域ですと、人口がまばらで医療機関が限られている地域では、専門的な読影医の確保が困難です。

遠隔読影支援サービスを活用することで、患者の地域に医師が常駐していなくても、必要な専門性を持った読影医がオンラインでアクセスできます。

これにより、地理的な人手不足が軽減されます。

院内医師と遠隔読影を組み合わせることで繁忙期と閑散期の波をこなせる

検診を遠隔読影支援サービスで行う際、院内医師と遠隔読影を組み合わせることで、繁忙期と閑散期の波に柔軟に対応できるメリットがあります。

繁忙期には学生健診や企業の入社後健診など、多くの検診が集中します。

こうした時期において、院内医師が限られた時間内で多くの読影業務に対応するのは大変ですが、遠隔読影支援サービスを導入することで、迅速かつ正確な読影を行うことが可能です。

一方で閑散期には検診の需要が低下し、院内医師が余裕を持って業務を遂行できることがあります。

この時期には、外部の読影医師の活用を最小限に抑え、依頼件数を調整することで運用コストの最適化が可能です。

YKR medical labo株式会社では最低依頼件数を設けていないため、依頼件数を調整できる柔軟な体制が整っています。

繁忙期と閑散期の依頼件数を調整させることで運用コストを下げることが可能です。

マルチモダリティをカバー

遠隔読影支援サービスを導入する際の大きなメリットの一つは、対応モダリティの幅広さです。

依頼を検討する際、通常は読影医が不足している検査装置の依頼を検討される医療機関が大半ですが、急な医師の休暇などで代務医師が必要な際に、遠隔読影支援サービスが役立ちます。

健診機関によっては、読影医が充足している場合でも遠隔読影支援サービスを契約し緊急時のバックアップとして活用する健診機関も増えています。

遠隔読影会社と契約する際は、どの程度モダリティをカバーしているかの確認が必要です。

導入されたのであれば、緊急時に備えて主だった依頼以外の検査装置を契約しておくことをお薦めします。

関連記事:読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

検診画像診断を遠隔読影支援サービスで行うデメリット

精度の担保

遠隔読影は受診者の個別の状態や病歴などが直接医師に伝わりにくいため、院内での診断との差が生まれる傾向があります。

さらに毎回ランダムな医師が読影することで、診断の一貫性や精度に関する課題が発生します。

異なる医師が異なる視点で診断を行うことは、患者の健康状態に対する幅広い意見やアプローチを提供できる一方で、一貫性を欠いた診断結果が生じる可能性があるのです。

異なる医師間での診断の一貫性を確保することが不可欠です。

セキュリティのリスク

遠隔読影において、検査データの送信や保存にセキュリティ上のリスクが伴います。

検査データの送信や保存の際に受診者の詳細な診断情報や検査結果が第三者に漏洩する可能性があるため、慎重な取り扱いが求められます。

セキュリティの対策が不十分であれば、これらの機密情報が不正アクセスやデータ漏洩のリスクにさらされる可能性があるため注意が必要です。

医療機関のみならず遠隔読影サービス提供者間でのセキュリティの強固な暗号化、アクセス制御の実施は必要不可欠と言えるでしょう。

ランニングコスト/イニシャルコスト

遠隔読影を導入する際、検討すべき重要な要素の一つが金額です。

遠隔読影会社ごとに異なる月額基本料金や初期導入費用以外にも追加オプションの費用が存在し、慎重な見極めが不可欠です。

ランニングコスト(初期導入費用)は院内で使用しているPCやシステム、設置場所によっては配線工事も必要になってくるでしょう。

さらに押さえたいのがランニングコスト(月額基本料金)です。

初期費用と違い、毎月支払う必要があるため、読影費用と併せて市場単価と年間コスト見積もりを行い、継続的なコスト面での計画を立てることが重要です。

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遠隔読影支援サービスで対応できる検診画像

遠隔読影は様々なモダリティ(検査装置)に適用されていますが、各遠隔読影会社や医療機関によって対応可能なモダリティは異なります。

  • ・胸部CR
  • ・胃部RF
  • ・CT/MRI
  • ・マンモグラフィー(乳房X線検査)
  • ・PET-CT

多くの遠隔読影会社が公式ウェブサイトに記載しているモダリティが上記になります。

また、その他各遠隔会社によって診断可能なモダリティもございます。

  • ・DWIBS
  • ・乳腺トモセンシス
  • ・眼底
  • ・心電図
  • ・ホルター心電図
  • ・各種超音波検査
  • ・じん肺
  • ・大腸CT
  • ・心臓CT
  • ・内視鏡検査など

これらのモダリティに関する詳細は、多くの遠隔読影会社が公式ウェブサイトに記載していません。

特定のモダリティに関する具体的な情報や提供情報は、企業の営業担当者やお問合せが最も確実な手段といえるでしょう。

関連記事:遠隔読影サービスとは?必要な機器や導入すべき医療機関の特徴

検診で遠隔読影支援サービスに適した医療機関の特徴

巡回健診バスを運用している医療機関

巡回健診バスを運用している医療機関は、特有の課題に対処しながら、患者のスムーズな検診を実現しています。

この運営形態では通常、一度に多くの患者の撮影が行われ、その翌日にまとまった読影の依頼が発生するのです。

その結果として大量の検査データが生まれます。

前項でも記載しましたが、健診機関における評価指標の一つに、健診結果報告書の納期短縮が挙げられます。

特に健診の場合、結果報告書は手書きの紙レポートでの作成が指定といった地域が多くあるために、大量に送られてくる検査結果の読影は容易ではありません。

これに迅速かつ確実に対応するため、周辺の医師会の先生に協力を仰ぎ、読影作業に協力いただきます。

YKR medical labo株式会社では、手書きレポートの読影も対応可能であり、検診バスごとに依頼可能な束依頼機能がございます。

サービスメニューを増やしたい健診機関

現在の読影モダリティに加えてオプションメニューを加えたい場合、オプションメニュー拡充を目的とした読影医の新規雇用や、読影管理に伴う運用コストを考えると、遠隔読影支援サービスは運用コスト・導入ハードルが低いため、多くの健診機関が導入しています。

遠隔読影会社には各種専門医が充足しており特殊検査にも対応可能です。

検査数が急増した場合でもスムーズに対応できます。

必要なタイミングで各種専門医による読影サービスを利用できるため、読影医の新規雇用や、読影管理に伴う運用コストに関する負担を軽減できます。

遠隔読影支援サービスをオプションメニューの拡充にお役立てください。

二重読影の体制を整えたい医療機関

二重読影は、二人の専門医師が同じ検査データを独立して評価し、高い診断精度を確保する手法です。

通常、診断の速さと精度を両立させる手法として使われます。

この手法はダブルチェックとも言われ、“ヒューマンエラーはゼロにはできない”ということから始まった読影精度向上策です。

二重読影にはオーバーリーディングとブラインドリーディングの2種類あります。

オーバーリーディングとは、一次読影を行った医師の結果を基に、別の医師が二次読影を行います。

その結果に基づいて、二次読影医は補完的な評価を行い、確認や追加の意見を提供するものです。

一次読影者の結果が既知であるため、二次読影はその結果を参考に進めることが可能です。

また、二次読影医が特異度に長けていることが求められます。

ブラインドリーディングとは、二人の読影医に同時に依頼し、一次読影医の結果を伏せたまま、独立した医師が二次読影を行います。

結果を開示しないため、二次読影者は独自の診断を行うのです。

この方式では、予め他の医師の意見に影響されないため、客観的な評価が期待されます。

(参考日本人間ドック学会 | 上部消化管Ⅹ線健診判定マニュアル (ningen-dock.jp)

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検診で遠隔読影を導入した事例紹介

自治体から指定された指定用紙読影でお悩みの院内検診に特化したクリニック様の事例

愛知県内 健診センター様 導入事例 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

導入によって業務の複雑化や負担増加を懸念していた病院併設健診センター様の事例

健診システムに読影レポートを自動返却 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』 (ykr-medical.jp)

YKR medical laboは健診に特化した遠隔読影支援サービスを提供

検診領域に特化した遠隔読影支援サービスを提供しています。

特に、巡回健診向けの読影依頼機能が強みで、複数の検査をまとめて依頼することが可能です。

検診依頼の際などに便利です。

詳しくは是非弊社HPをご覧ください。

読影医による 遠隔読影・読影診断支援サービス|YKR Medical Labo (ykr-medical.jp)

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記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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