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読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説

病気やケガなどが疑われる場合、CTやMRIといった機器で精密検査を受ける必要があります。

このとき、撮影した画像を読み解き正確に診断するためは、「読影医」とよばれる専門医が不可欠です。

本記事では、読影医とはどういった役割を果たす医師なのか、混同しやすい放射線科医や放射線技師との違いなどもあわせてご紹介します。

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読影医とは?

CTやMRIなどの検査機器で撮影した画像を読み解き、病気の原因や状態を判断することを読影とよびます。

読影医とは、その名の通り読影を行う医師のことで、多くの医療機関において放射線科の専門医が担当するケースが一般的です。

もちろん、内科医や外科医といった各診療科目の医師もある程度の読影には対応できますが、放射線科の専門医は日々多くの検査画像を目にしています。

そのため、読影に特化した専門的なスキルを活かし読影医として活躍しています。

読影医になるには?

医師免許があり読影のスキルを身につけていれば、一般の診療科目の専門医でも読影医として活躍することはできます。

しかし、上記でも説明した通り、読影医は放射線科の医師が担当するケースが多いため、今回は放射線科専門医になるための方法をご紹介しましょう。

まず、医師免許を取得した後は2年間の初期研修を受け、さらに放射線科へ入局してから最低3年間以上の放射線科研修を受けます。

すべての研修が終わったら認定試験を受験し、これに合格することで放射線科専門医となることができます。

ちなみに、検査や診断に特化した「放射線診断専門医」の認定を受けることで読影医として高度な専門性を身につけることが可能です。

専門医の認定試験に合格後、さらに2年間の研修と認定試験、5年ごとの資格更新も必要となります。

以上のことから、放射線専門医になるためには最短で29歳。

放射線診断専門医の認定を受けるには31歳といったように、長い年月を要します

関連記事:読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説

読影医と放射線科医の違い

放射線科専門医には、上記で紹介した「放射線診断専門医」のほかに、「放射線治療専門医」も存在します。

ただし、診断専門医と治療専門医を両方同時に認定されることはないため、いずれか一方を選択する必要があります。

読影医として活躍しているのは放射線診断専門医が多いため、一般的には「読影医=放射線診断専門医」と認識されるケースがほとんどです。

一方、放射線治療専門医はあくまでも放射線治療のスペシャリストであり、主にがんの治療を担当することが多いです。

そのため、必ずしもすべての放射線科医が読影医というわけではありません。

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放射線科医と放射線技師の違い

放射線科医と混同されやすいのが「放射線技師」ですが、両者が果たす役割や業務内容は全く異なります。

まず、放射線科医はあくまでも医師であることから、上記で紹介した読影はもちろんのこと、患者と対面しての診察や治療なども行うことが可能です。

これに対し、放射線技師は医師ではないため、対応できる業務はCTやMRIなどの検査機器を使っての画像撮影および放射線の照射に限られるのです。

また、検査で画像撮影を行う際もどの検査機器を使用するか、撮影範囲などは医師の指示を受ける必要があります。

そのため、放射線技師は読影や治療に対応できず、医師免許も持たないため放射線科医とは全く異なる職種といえます。

ただし、検査機器を安全に使用するためには技術的な専門知識が求められるため、放射線科医を支える技術者としてなくてはならない存在です。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

読影医が不足している?

CTやMRIといった高度な医療設備が整っていたとしても、撮影した画像を手がかりに適切な診断を行える読影医がいなければ医療現場は成り立ちません。

しかし、医療業界は深刻な人手不足に悩まされており、読影医も例外ではありません。

日本の医療業界の実情はどのようになっているのか、詳しく解説しましょう。

読影医は深刻な人材難に悩まされている

読影に関する高度な知見をもった放射線診断専門医は日本国内にわずか5,000人しかおらず、慢性的な人手不足が続いています。

専門医が少ないということは医師にかかる負担も大きく、一人あたりのCT・MRIの検査数は8,000件以上にのぼります。

これは世界的に見ても圧倒的に高い数字で、2番目に多いアメリカの約3,000件と比較しても倍以上の差があります。

また、CTやMRIといった設備が整っている医療機関において、放射線診断専門医が常駐している割合も16〜25%と低いです。

このようなデータからも、読影医は人手不足の状況にあることは明白です。

見落としによる医療トラブルが発生

読影医が常駐していない7割以上の医療機関では、放射線診断専門医以外の医師が読影を行っています。

しかし、上記でも説明した通り、読影には高度な知見と豊富な経験が求められます。

放射線診断専門医以外の医師では、所見の見落としや診断ミスが増加するリスクも秘めています。

実際に、国内の大学病院においてCT画像を見落とし、それが原因でがん患者が死亡するといったケースも発生しているのです。

放射線診断専門医の数は近年になって少しずつ増加傾向にありますが、少子高齢化が進むなかでは読影医のニーズがさらに高まるのは必至です。

読影医不足は解消されるどころか、さらに深刻化する懸念があります。

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読影医不足を解決する遠隔読影サービス

読影医不足は日本の医療業界が抱える深刻な課題のひとつです。

日本社会全体が人手不足に陥っている現在、読影医が飛躍的に増えることは現実的ではないため、限られた人員のなかで医療の質を担保していかなくてはなりません。

そこで注目されているのが「遠隔読影サービス」です。

通常、読影は検査を行った医療機関において、そこに常駐している専門医が画像を見て診断を行います。

そのため、検査機器は揃っているものの読影医が不在の医療機関では、検査や診断が難しい場合が多くあります。

遠隔読影サービスとは、撮影した検査画像のデータを遠く離れた医療機関へネットワークを経由して送信し、そこに常駐している専門医に読影を依頼するという仕組みです。

これにより、検査機器はあるものの読影医が常駐していない医療機関でも、検査と診断が可能になり、読影医不足を解消できると期待されているのです。

関連記事:遠隔読影サービスとは?必要な機器や導入すべき医療機関の特徴

遠隔読影サービスならYKR medical laboへご相談ください

遠隔読影を行うためには、CTやMRIといった検査機器はもちろんのこと、画像を管理・やり取りするためのシステムやセキュリティ対策が講じられたネットワーク回線も必要です。

しかし、これらを医療機関が一から構築するには膨大な手間とコストがかかることから、専門のサービスを契約するのが一般的です。

信頼性が高くコストも抑えられる遠隔読影サービスをお探しの場合には、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

YKR medical laboでは、CTおよびMRI画像、マンモグラフィーなどの画像診断に対応しており、安価な費用で利用できます

40名以上の各診療科の専門医が読影を行い、その結果をレポートとして返却するため、専門医が常駐していない医療機関でも高度な診断を可能とします。

さらに、病院内で運用している院内システムをそのまま流用することもできるため、検査機器が揃っていれば大規模な設備投資を行うことなく、遠隔読影を導入可能です。

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まとめ

読影医とはCTやMRIなどで撮影した画像を読み解き、正確な診断を行う専門医であり、主に放射線診断専門医が担うケースが多くあります。

しかし、全国的に見ても読影医の数は十分ではなく、ほとんどの医療機関において読影医は常駐していないというのが実情です。

放射線科以外の診療科の医師が読影を行うことで、誤診や見落としによって病気が知らない間に進行していたという事例も発生しています。

深刻な読影医不足の問題を解決するためには、遠隔読影サービスの活用もひとつの方法といえるでしょう。

医療の質を低下させないために、遠隔読影サービスの導入を検討している医療機関においては、ぜひ一度YKR medical laboへご相談ください。

記事監修者紹介

監修者

顧問医 不破 英登

【経歴】

  • 2009 愛知医科大学医学部医学科
  • 2009 津島市民病院
  • 2011 名古屋第二赤十字病院 放射線科
  • 2016 名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野 助教
  • 2018 豊田若竹病院 放射線科
  • 2019 YKR medical labo株式会社 顧問医就任
  • 2021 YKR medical consult 代表就任

【資格】

  • 産業医・放射線科診断専門医

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