読影とは?読み方や活用される場面について徹底解説
医療機関においてCT検査やMRI検査を行う際には、撮影した画像をもとに病気の原因や現在の状態を正確に把握しなければなりません。
このときに重要なのが「読影」です。
本記事では、読影が求められる場面や現在の医療業界が抱える読影の課題、それを解決するために注目されている「遠隔読影サービス」についても詳しく解説します。
目次
読影とは?読み方は?
「読影(どくえい)」とは、医療機関において撮影されたCT画像やMRI画像、内視鏡などの検査画像を専門医が読み解き、病気やケガの診断を行う行為を指します。
医療機関には高度な検査機器がありますが、これらで撮影された画像を患者が見てもどこが悪いのか判断は難しいものです。
検査画像をもとに小さな手がかりも見逃すことなく、わずかな異常を発見することが適切な治療につながっていくことから、読影は極めて重要です。
また、読影に対応できる知識やノウハウをもった専門医は読影医とよばれます。
内科医や外科医もある程度の読影は可能ですが、放射線科の専門医が読影医として担当することがほとんどです。
読影が活用される場面
読影はどのような検査の場面で活用されているのでしょうか。代表的なものを5つご紹介します。
単純X線
一般的にレントゲン写真とよばれるのが、単純X線です。
ケガをした際に骨に異常がないかを調べたり、胸部や腹部などの画像診断にも用いられることがあります。
胃部RF検査
RF検査とは、特殊なX線装置によってリアルタイムの映像を撮影し、それを読影することでさまざまな病気の診断に役立てる検査方法です。
人間ドックで行われる胃のバリウム検査は、その代表例でもあります。
心電図
読影に用いられるのは、放射線機器によって撮影された画像だけではありません。
たとえば、心臓の動きをグラフとして可視化した心電図を読影することにより、心筋梗塞や不整脈といった重篤な疾患を発見できるケースもあります。
エコー検査
エコー検査とは、超音波が体内の組織や臓器などから跳ね返ってくる特性を活かし、画像として映し出す検査方法です。
エコー画像を読影することで、ガンをはじめとしたさまざまな疾患の状態を把握したり、早期発見につなげられることもあります。
眼底検査
眼底検査とは、目の奥にある眼底とよばれる部分を特殊なカメラで撮影し、血管や網膜などに異常がないかを調べる検査方法です。
撮影した画像を読影することにより、たとえば緑内障や眼底出血、糖尿病などの発見につなげられます。
内視鏡検査
内視鏡は、胃がんや食道がん、大腸がんなどの診断や治療にも用いられます。
特殊な小型カメラを搭載した細い管を体内に挿入し、消化器官の画像や映像を読影することで初期のガンの発見につながることもあります。
CT検査
CTは体のあらゆる方向からX線を照射することで、体全体を輪切りにしたような画像を撮影できます。
複数枚のCT画像を組み合わせることで立体的な画像が完成し、これを読影することで病気やケガの詳細な原因究明に役立ちます。
MRI検査
MRIは放射線は用いず、磁力によって撮影を行います。
縦や横、斜め方向からも撮影できるため自由度が高く、頭蓋骨や脊髄など様々な領域の検査・読影に多く用いられます。
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読影の課題
読影は、病気やケガなどの進行を知るための重要な手段ですが、課題を抱えている医療機関も少なくありません。
現在、医療業界は深刻な医師不足に直面しており、特に地方の医療機関では常駐の専門医がおらず、外部からの医師の派遣に頼っているところも多く存在します。
また、診療科のなかでも放射線科の専門医は特に不足が顕著で、放射線科医1人あたりのCT・MRIの検査数は8,000件以上にのぼるといわれています。
膨大な検査と読影をこなさなければならず、その分専門医にかかる負担も年々増加傾向にあるのです。
さらに、専門医といえども人間である以上、負担がかかりすぎてしまうと集中力が維持できず、その結果読影のミスや見落としが発生するリスクも考えられます。
このように、読影を行う専門医の不足は医師の過重労働につながるばかりではなく、患者にとっても重篤な病気を見落とされる懸念があります。
読影での見落としを防ぐには
専門医の不足は、特定の医療機関だけでの問題ではなく、日本の医療業界全体の問題といえます。
しかし、そのようななかでも読影のミスや見落としを防ぎ、医療の質を落とさないためにはどういった対策が有効なのでしょうか。
二重確認法を実践する
二重確認法とはその名の通り、読影を担当する医師だけでなく、別の医師も画像を読影し直す方法です。
ダブルチェックともよばれ、読影のミスや見落としを防ぐための初歩的な手法といえます。
具体的には、主治医が読影し画像診断レポートを作成し、その後に放射線科の専門医が再び確認するパターンが代表的です。
二重確認法を実践することで、読影のスキルや知見が高くない主治医であっても、読影の専門医から見直してもらうことで検査の質を担保できます。
遠隔読影サービスを利用する
二重確認法を実践するためには、医療機関内に放射線科の専門医が常駐していることが前提となります。
しかし、医師不足が深刻化するなかではそのような体制が確保できないという医療機関も少なくありません。
そのような場合には、遠隔読影サービスの利用もひとつの手です。
検査画像のデータを別の医療機関へ送信し、遠隔地にいる放射線科の専門医に確認してもらうことで実質的なダブルチェック体制を整備できます。
読影の課題を解決する遠隔読影サービス
遠隔読影サービスは専門医が不足する現在の日本において、読影の課題を解消できる可能性のある方法といえます。
医師の数が限られる中小規模の医療機関では、つねに外来や入院患者の診察、オペなどの対応に追われ、読影に十分な時間をかけられないというケースも多いでしょう。
また、内科医や外科医だけでは読影の知見が不足し、検査画像の見落としによって病気が進行していく危険もあります。
遠隔読影は、このような医療業界が抱える課題を解決する方法のひとつですが、医療機関が単独でシステムを一から構築するとなると膨大なコストと時間を要します。
そこで、遠隔読影サービスを利用することでシステム構築のコストと時間を節約でき、短期間で導入および運用体制が構築できるでしょう。
また、遠隔読影サービスには、高度な読影の知見と経験をもった専門医が多数在籍しています。
そのため、対応が難しい高度な読影についても、見落としや診断ミスを防ぎ検査の質を担保できると考えます。
関連記事:読影医とは?放射線科医との違いや不足している現状について解説
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放射線科遠隔読影支援サービスを提供しているほか、心電図遠隔読影支援サービスや超音波遠隔読影支援サービスなどもご用意。
各診療科の専門医が40名以上在籍しており、高度なスキルが求められる読影にも対応できます。
また、MRIを使用した最新のがん検査「DWIBS」の読影にも対応しており、1件あたり7,500円からという低料金で依頼できます。
まとめ
医療機関においてさまざまな検査機器で撮影した画像をもとに、病気の原因や状態を正確に把握するには「読影」が不可欠です。
しかし、正確な読影を行うには放射線科の専門医や読影のスキルをもった医師が必要であり、医師不足が深刻化する医療業界では大きな課題といえます。
遠隔読影サービスはこのような医療現場の課題を解決する手段のひとつで、画像診断の見落としやミスを防げる可能性があります。
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