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眼底読影とは?遠隔画像診断支援サービスのメリットとデメリットを紹介

眼底読影とは

眼底検査とは目の奥にある眼底とよばれる部分の一部をカメラで撮影し、網膜や視神経、血管などを調べる検査です。

この検査によって得られた画像を眼科医が専門的に解析し、視覚にかかわる異常や疾患の兆候を見つけることが目的となります。

網膜は私たちがものを見るために重要な役割を果たす組織であり、網膜の出血や変性といった異常は重大な所見とされます。

また、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性、緑内障といった失明につながる可能性のある疾患を早期に発見し、その進行具合を評価することも眼底検査の重要な役割です。

さらに眼底にある動脈を観察することで、高血圧性の変化や動脈硬化の進行状況を確認することもでき、全身の健康状態の把握にも役立ちます。

眼底読影の課題

眼底読影は、さまざまな疾患を早期に発見できる重要な検査である一方、2008年に特定健診の必須項目から外れ、現在は法定外項目に位置付けられています。

標準的な健康診断には含まれておらず、検査は任意項目として扱われています。

眼底検査は目の健康を守るために大切な検査であるにも関わらず、眼底画像の専門的な解析を行える読影医が常駐する医療機関は少なく、特に地域の小規模病院やクリニックでは眼科専門医が確保しづらい状況にあります。

眼底画像の読影を放射線科医が読影する場合もありますが、眼科の臨床医としての経験がない場合は臨床に即した所見にならない可能性があります。

また、眼底読影を外部に委託する場合は、委託先が限られていることや、画像データのセキュリティ管理、体制の構築などが課題となっています。

関連記事:遠隔読影とは?メリットや料金相場を徹底解説

眼底の遠隔画像診断支援サービスのメリット・デメリット

メリット

読影の精度向上

眼科医による読影が難しい医療機関でも、遠隔画像診断支援サービスを依頼することにより専門的な知識をもつ眼科医の診断を受けることができるようになり、読影の精度の向上が期待できます。

眼底検査の診断では微細な変化を識別することが大変重要です。

毛細血管の変化や小さな出血、視神経や黄斑部のわずかな変化などは、糖尿病網膜症や緑内障など失明にもつながる大きな病気の初期症状である可能性があり、健康診断で初めて病気が発覚することも少なくありません。

早期に病気を発見し治療を開始することができれば患者さんの健康に大きく貢献することができるでしょう。

また、医療機関で眼科医が読影できる体制の医療機関でも、遠隔読影を利用することで医師の負担を軽減し院内業務に注力できる助けになり、併用する場合は医療機関内の眼科医と遠隔読影医による二重のチェックが可能になり更に診断の精度が高まるでしょう。

医療機関内での診断体制が強化されると言えます。

医療機関のコスト軽減

医療機関内で眼科専門医の確保するには、給与だけでなく、各種福利厚生や設備投資も必要で、そのコストは施設にとって大きな財政的負担となります。

一方、遠隔読影サービスでは、依頼ごとの費用が事前に明確に分かるため、予算を立てやすく、院内で専門医を常駐させる場合と比較して、コストパフォーマンスが良好であることが多いといえます。

その他眼底に限らず遠隔画像診断支援サービスを利用し依頼するメリットについての関連記事はこちら

関連記事:検診を遠隔読影支援サービスで行うメリット、対応できる検診の種類や事例を紹介 | YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』

デメリット

イニシャルコストの発生

医療機関のコスト軽減を実現することは可能です。

一方で、初期費用や月額費用等があることも事実です。

例えば、PACSサーバーとの接続費用やレポートシステムとの連携費用、初期設定費用があげられます。

また、読影依頼がない期間にも月額基本料金等が発生します。

そのため、依頼件数の少ない医療機関にとっては、一件あたりの読影費用で換算すると少し割高に感じてしまうかもしれません。

データセキュリティのリスク

受診者の眼底画像や個人情報を外部に送信するため、データ漏洩のリスクが発生します。

遠隔画像診断のためにインフラやデータ管理がしっかりしていない場合、セキュリティ上の問題が生じる可能性があるため、医療機関は信頼できるプロバイダサービスの選定や適切なセキュリティ対策が必要です。

今後の眼底検査需要に対する遠隔画像診断支援サービスの利用

現在高齢化が進む一方で、健康寿命を延ばす意識が高まっており、健康診断や人間ドッグの受診者数も増加傾向にあります。

そのため眼底画像の読影は時間と専門的な知識を要するため検査数の増加に伴い医師の負担も増すことが予想されます。

眼底検査において専門医が常駐してない場合、非常勤医師が読影を行うことが一般的ですが、その場合納期が安定せず報告書の作成に遅れが生じる可能性があります。

眼科専門医が常駐している医療機関においても、院内業務の多様化のため医師に過度の負担がかかるようになり、勤務医にとって読影業務は困難になってきている現状があります。

読影業務は医師の業務の中では外注できる数少ない業務の一つであるため、読影業務を外部委託する医療機関も増加しています。

また、遠隔画像診断支援サービスでは、専門的な知識をもつ眼科医に読影を依頼することが可能であり、読影精度の向上に大いに貢献できるといえるでしょう。

関連記事:遠隔画像診断支援サービスとは?管理加算や施設基準について解説

遠隔画像診断支援サービスならYKR medical laboにご相談ください

弊社では眼底検査の読影を多く受けております。

各医療機関ごとに読影チームを構成し読影支援を行いますので所見のばらつきを防ぐことができます。

また、現在医療機関で利用している所見コード/判定基準等そのままの内容で読影可能です。

読影内容の擦り合わせ等、お気軽にご相談下さい。

当サービスの導入実績について、詳細はこちらからご確認いただけます

読影医による遠隔読影事例の一覧 – YKR Medical Labo | 『新たな遠隔読影領域を創出する』

まとめ

眼底画像の遠隔読影サービスは、専門医が不足する地域や小規模医療機関にとって、診断の質向上と効率的な運用を可能にする手段です。

これにより糖尿病網膜症や緑内障などの早期発見が促進され、受診者に高水準なケアを提供できます。

導入コストや月額料金の負担はあるものの、院内に専門医を配置する場合と比べ、予算管理がしやすく、長期的なコスト削減も見込めます。

適切なセキュリティ対策を施すことで、データ漏洩リスクも軽減することができます。

遠隔画像診断支援サービス依頼の不安を解消する充実のサービスをご紹介!

YKRメディカルラボの特徴

  • 眼科専門医による読影
  • 一件当たりの読影料金は業界最安値
  • データセンターはOracle社の国内サーバーを使用
  • VPNを構築し、画像情報は匿名化/暗号化されます

遠隔画像診断の導入をお考えの際には、ぜひ一度「YKRメディカルラボ」へご相談ください。

監修者紹介

監修者

眼科専門医 伊藤 裕紀

略歴

2015年 名古屋大学医学部医学科卒業

2018年 名古屋大学医学部附属病院 眼科医員

2019年 江南厚生病院 眼科医師

2022年 中部ろうさい病院 眼科医師

2024年 田辺眼科クリニック 眼科医師

所属学会: 日本眼科学会

認定資格: 眼科専門医

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